徳島インディゴソックス時代のジェフン。当時は打者として活躍した

 日本の優勝で幕を閉じた野球の国際大会「プレミア12」。決勝で日本と戦った韓国の投手に、徳島インディゴ出身者がいたことをご存じだろうか。ハ・ジェフン(河載勲)投手で、日本戦でもマウンドに立った。ジェフンは徳島インディゴソックス時代での活躍が認められ、韓国のプロ野球チームからドラフト指名されて韓国代表にまで上り詰めた。独立リーグの中では、群を抜いて日本のプロ野球に選手を送り込んでいる徳島インディゴソックスだが、輩出は日本だけにとどまらない。その育成力には改めて驚かされる。

 ジェフンは韓国出身で右投げ右打ち。米大リーグ・カブスのマイナーリーグなどを経て、2016年に徳島インディゴソックスに入団した。投手、打者とも実力がある二刀流選手だったが、主に打者としてプレーした。入団すぐの活躍ぶりに、セ・リーグのヤクルトから声が掛かり、シーズン途中で移籍。しかし、その年にヤクルトを退団し、17年から徳島インディゴソックスに復帰した。主軸として同年の独立リーグ日本一に貢献。18年も好成績を残し、同年に韓国プロ野球のSKワイバーンズから2巡目指名を受けた。徳島インディゴソックス時代には投手としても出場し、実際に二刀流を実現している。

 韓国プロ野球では、1年目から抑え投手としてリーグ最多のセーブを記録し、韓国代表に選ばれた。プレミア12では4試合に投げ、決勝の日本戦では、8回に登板して三振を奪っている。

 徳島インディゴソックス時代に共にプレーし、現在は西武ライオンズの伊藤翔投手はツイッターで、8回に登板した際の写真を付けて「独立で一緒に野球していた人がこんな場面で投げてるしいい刺激になります」と記している。

 徳島インディゴソックスは、2013年から7年連続で日本のプロ野球のドラフト指名選手を出している。この7年間の指名選手は、育成ドラフトも含めて13人に上り、国内独立リーグの15チーム(19年)の中では、突出している。四国アイランドリーグplusに所属する他の3球団をみると、香川オリーブガイナーズは8人、愛媛マンダリンパイレーツと高知ファイティングドッグスは1人もいない。北信越や関東などのチームでつくるルートインBCリーグの11球団も、最多は埼玉武蔵ヒートベアーズと石川ミリオンスターズの7人だ。

 地方の小さなまち・徳島で、生活しながら夢を追い掛ける。徳島インディゴソックスがなければ、徳島に訪れることがなかった人もいるだろう。温暖な気候、練習環境、指導する人、支える人…。徳島の土が、多くの花を咲かせている。(卓)