県とJA全農とくしまが開発に取り組んでいる肥料

 徳島県とJA全農とくしまは、スダチ栽培で施肥の回数を大幅に減らせる肥料の開発に取り組んでいる。産地で生産者の高齢化や担い手不足が課題となる中、作業の負担軽減を図るのが狙い。これまでの栽培試験では、通常は年4回行う施肥を1回にしても品質や収量が悪化しないとの結果が出ており、今後は商品化に向けてコストや効果の持続性などの検討を進める。

 スダチの栽培で行う施肥は、生産者によって回数は異なるが、県の基準では年4回とされている。一般的な市販肥料は速効性がある一方、雨で流出するなどして1カ月程度で効果が薄くなるという。

 県などが新たに開発しているのは、微細な穴を開けた生分解性プラスチックで粒の表面を覆った肥料。窒素やリン酸、カリウムを含む粒と、尿素の粒の2種類があり、成分が穴からゆっくりと溶け出して浸透していくため効果が持続する。生分解性プラスチックは土壌の微生物によって水と二酸化炭素に分解されて残らない。

 2013年度から神山町で、生産者1戸の協力を得て栽培試験を開始。17年度まで従来通り年数回の施肥を行ったスダチと生育状況を比べた結果、新たな肥料を使った木は施肥を1回にしても果皮の色が変化せず、収量は1割程度増えた。

 開発は県が全農とくしまの委託を受けて共同で実施し、18、19年度も試験栽培を続けている。県立農林水産総合技術支援センター資源環境研究課は「今後は効果や費用など商品化に向けた検討をJAと進め、生産者が利用しやすい肥料の開発を目指したい」としている。