グリラスが生産している乾燥コオロギ(同社提供)

グリラスが生産しているコオロギパウダー(同社提供)

 食用コオロギの飼育や育種、販売を手掛ける徳島大発ベンチャーのグリラス(徳島市)が、事業を拡大させている。同社の乾燥コオロギ粉末を使った食品が来春、生活雑貨店「無印良品」で発売されるほか、飼育のコンサルティング事業にも手を広げて県外の企業と契約。人口増加に伴う食糧危機対策として昆虫食への注目が高まりつつある中、新しい産業の創出につなげたい考えだ。

 グリラスは、コオロギの食用化研究を行っている徳島大大学院社会産業理工学研究部の渡邉崇人助教らが今年5月に設立した。鳴門市内の自社農場でコオロギを飼育し、乾燥コオロギと、粉末にしたコオロギパウダーを販売している。

 無印良品で発売されるのは、コオロギパウダーを練り込んだ「コオロギせんべい」。運営会社の良品計画(東京)が商品化に向けて徳島大に協業を持ち掛け、グリラスのパウダーが採用された。良品計画が昆虫食を販売するのは初めてで、2020年春をめどに、無印良品の一部店舗とEC(電子商取引)サイトで発売する予定。

 グリラスでは、昆虫食への注目度の高まりを受け、食用コオロギを生産したいとの問い合わせも増えているという。長年の飼育経験で培ったノウハウを生かして、他社の飼育管理を支援するサービスにも乗り出した。今月1日には、植物工場を運営する太陽グリーンエナジー(埼玉県嵐山町)とコンサルティング契約を結んだ。

 廃棄される食品かすを餌にし、工場の廃熱を利用してコオロギを飼育する循環型の仕組みとしている。

 今後は自動飼育システムを開発し、大量生産を図る。生産量は現在の月約30キロから、2023年には支援先の企業も含めて月10トン以上を目指す。

 岡部慎司社長は「一時的なブームで終わらせず、昆虫食を定着させ、品質の高い日本産の食糧を世界へ広げていきたい」と話している。