徳島市は24日、学識者らでつくる「新ホール建設候補地検討会議」で、新ホール自体の建設費の目安を「70億~90億円」と示した。大ホール1500席、小ホール200席、延べ床面積9千~1万平方メートルと仮定し試算した。土地取得費や駐車場整備費などを合わせた総事業費の目安については「不確定」などとして明らかにしなかった。

 建設費の目安は、徳島駅西側のクレメント平面駐車場を中心とした土地(寺島本町西1、4866平方メートル)と、閉館した市文化センターの敷地(徳島町城内、4538平方メートル)が、それぞれ80億~90億円。市立動物園跡地(中徳島町2、1万8879平方メートル)が70億~80億円。

 試算では、施設を最も狭い文化センター敷地で無理なく建設できる規模として仮定。他の都市で近年計画された類似施設の建設単価「1平方メートル当たり75万円」を基に計算した。駅西側の土地と文化センター敷地は、研修室やスタジオなど約1千平方メートルを地下に建設するため、動物園跡地よりも高く見積もった。

 このほか、市は土地の取得費用について、2016年度の路線価を基にした概算額を提示。駅西側の土地を5億9千万円、文化センター敷地を1億9千万円としたが、「実勢価格とは異なる」と述べた。動物園跡地は全て市有地のため、土地取得の費用は必要ない。

 徳島市のホテル千秋閣で開かれた検討会議の第3回会合には委員7人全員が出席。「客席を増やすことはできるか」「全体の事業費が不確定の中で結論を出さないといけないのか」などの意見が出た。

 検討会議は、5月11日を予定する次回会合で意見をまとめ、同17日に市に意見書を提出する。