徳島市の阿波踊りに4億円余りの累積赤字が生じている問題を巡り、徳島地裁が市観光協会の破産手続き開始を決定したことを受け、協会は30日、緊急の理事会を同市の阿波おどり会館で開き、決定を不服として高松高裁に即時抗告をする方針を固めた。
理事会は非公開で、終了後に近藤宏章会長らが記者会見した。近藤会長によると、出席した8人で即時抗告をするかどうか採決した結果、「長年主催してきた協会が引き続き阿波踊りを主催すべきだ」などとして6人が賛成した。残る2人は今夏の阿波踊りに影響が出ないか懸念していたという。
累積赤字は協会の特別会計に発生し、市は2月、協会の借入金に対し行っていた損失補償契約を2018年度は結ばないと決定。借入金のうち約3億8千万円の債権を金融機関から譲り受けて今月1日に破産手続き開始を申し立て、地裁は29日に開始を決定した。
近藤会長は記者会見で「補償をしないことが市民の税金を一番無駄にするやり方ではないか。理不尽なやり方に対してわれわれは抵抗する」と話した。
遠藤彰良市長は「今後、破産管財人の下で透明性を確保しながら破産手続きが進められることを期待している」などとコメントした。