JA里浦は25日、鳴門市里浦町の本所で理事会を開き、2019年4月に県内15JAと関係団体を一つに統合する1JA化への不参加を決めた。統合によって農産物の独自ブランドが埋没することへの懸念が背景にあるとみられる。統合に参加しないJAは徳島市、大津松茂に続いて3団体目。
理事会には平田敏組合長ら理事13人が出席し、統合参加の是非について採決した結果、11人が不参加とした。残り2人は「統合の内容が分からない。もう少し結論を出すのを待った方がいい」と参加、不参加の意思を示さなかった。
平田組合長は理事会後、「(統合には参加せず)農産物販売で独自のブランド力を発揮したい。役職員が一丸となって、これまで以上に経営に努力していきたい」と話した。
徳島中央会は現時点では、参加する意向のJAで1JA化構想を進めていく方針。JA里浦が不参加を決めたことについては「対応を協議する必要性が生じた」としている。
JA里浦は正組合員数が280人で県内最少だが、組合員1人当たりの販売額がトップクラスの有力JAの一つ。サツマイモとダイコンを「里むすめ」のブランド名で、関西や関東、中国地方に販売している。
構想では、1JAに統合することで組織体制の基盤を強化し、スケールメリットを生かして営農指導や販売、購買などで新たな取り組みを進める。各JAは既存の管轄エリアで地区本部に移行し、独立採算制で事業展開する。