基礎部分のコンクリートが残され、廃棄物処理法の不法投棄に当たる恐れが指摘されている神山中の旧寄宿舎跡=20日、神山町神領

 神山町と一般社団法人「神山つなぐ公社」が進めた神山中学校旧寄宿舎(同町神領)の解体工事で、旧寄宿舎の基礎部分だったコンクリートが地中に残されていることが分かった。廃棄物処理法などによると、県が「有用物」と判断していなければ「廃棄物」に該当し、撤去が必要だったにもかかわらず、県の判断を得ていない。県は不法投棄に当たる可能性があるとして調査を始めた。町は「県に相談した上で、問題ないと考えていた」としている。

 寄宿舎は鉄筋コンクリート3階建て2棟、2、4階建て各1棟などで建築面積は計1780平方メートル。解体工事は既に終えているものの、基礎部分のコンクリートの大部分が撤去されていない。

 町によると、現地は45年ほど前、水田に盛り土をして造成した。跡地に集合住宅20戸の建設を予定しており、基礎を撤去すれば地盤が軟弱になる上、再び土を入れる費用がかかるため、設計段階で基礎を残すと決めた。

 廃棄物処理法16条では「何人もみだりに廃棄物を捨ててはならない」と規定。国の指針では「周辺の生活環境に支障が出る恐れがなく、明確な意図を持って置かれた工作物(有用物)に限り、法の適用外とする」とされており、基礎を残すためには、産業廃棄物の処理を指導監督する立場の県が有用物だと判断する必要があった。

 町によると、町は今回の工事に法的な問題がないかを確かめるため、昨年5月と11月ごろ、県環境指導課に相談し、12月に入札を実施、発注した。基礎が有用物かどうかについては「撤去すると地盤が軟弱になるとの独自の調査結果を基に、町で判断した」としている。

 町は「県に相談した際に、廃棄物処理法では基礎を現地に残すための許可の規定はないということだったので、問題ないと考えた」としている。

 一方、徳島新聞の取材で基礎が残されていることを把握した県環境指導課は20日、現地を視察し、詳しい説明を町に求めた。同課は「町の主張通り土留めの意味があれば基礎を有用物と判断する余地はある。町の説明を精査して結論を出すが、法的な面をクリアしないまま着工したことは問題だ」としている。

 解体工事は、神山つなぐ公社の理事が代表取締役を務める建設会社が請け負い、専門家から「町と公社は一体といえ、不適当な発注だ」と指摘されている。