-「響」はマンガ大賞を受賞し、映画化もされるなど大きな反響を呼びました。

 うれしかったです。マンガ大賞は、自分がやっていることが大きくは間違ってないんだっていう確信を持てました。映画化に関しては、純粋に面白い作品を作ってもらえてうれしかったです。

 -長期の連載で、特に大変だったことや、うれしかったことは。

 大変だったのは、アシスタント問題です。最初の頃は初めてアシスタントさんを使うので、とにかく苦労しました。想像してみてください。あなたの部屋で、友達でもない昨日今日会った人と一日10時間一緒に作業する。それを週5とかで。

 楽しそう!と思えましたか? 最初は、なかなか合わない人がいるなどして大変でした。今は合う人に来てもらえています。

 うれしかったのは、やはりマンガ大賞受賞ですね。あと単純に、アシスタントの子と一緒に、昼は映画やドラマをぎゃーぎゃー言いながら見て作業して、夕方はニュースを見ながらぎゃーぎゃー言って、夜はクイズ番組を見ながらぎゃーぎゃー言いながら作業する。楽しかった。

 -今後、「響」の続編を描かれる可能性はありますか。

 「響」の続編は、ガッツリしたものは描かないと思いますが、読み切りとかでは、いつか描きますね。彼女の人生はまだまだ続いています。

 あ、そういえば、初期の頃は、最終回で響が死ぬっていう構想もありました。5年間で多少なりとも成長しましたね。今は、響が150歳くらいまで生きる気がしています。

 作業的になかなか読み切りを描く余裕がないのですが、ただ、響はまだ自分の中で生きているので、可能ならちょくちょく読み切り漫画を描きたいです。

写真を拡大 柳本光晴さんの自画像(ⓒ柳本光晴/小学館)
■やなもと・みつはる 徳島市出身。城北高校から電気通信大に進み、漫画アニメ研究会で漫画を描き始める。同人誌活動を経て2011年、「きっと可愛い女の子だから」でプロデビュー。14年8月から19年10月までビッグコミックスペリオールで「響~小説家になる方法~」を連載。「響」で「マンガ大賞2017」大賞、第64回小学館漫画賞一般向け部門を受賞。

 -次回作のテーマやストーリーは。

 秘密です。ただ、1話目のお話はできています。いろんな編集さんに見てもらって、面白いって褒めてもらっています。どこで連載するか、間もなく決まる予定です。

 -ヒロインの名前などに徳島を感じさせる部分があって「響」は県内で高い関心を集めました。今後も作品に徳島ゆかりのものが登場するのでしょうか。

 僕自身は正直、徳島への愛にあふれているつもりはないんですが、やはり生まれ育った土地ですからね。子どもの頃から、(響の名字に使われた徳島市などを流れる)鮎喰川という名前がカッコいいなという思いが根っこにありました。

 親だの故郷だの編集者だのは、生きてるうちは振り返らず、死ぬ間際に思い返して感謝する、くらいでいいのかなと思っていますが、徳島ゆかりのものは出したいですね。鮎喰の他には、藍住とか、カッコいいなと思っています。

 -これまで「響」を愛読してくれたファンにメッセージを。

 「響」を面白いと思ってくださった皆さん、本当にうれしいです。彼女の冒険はまだまだ続いています。僕がカメラを向けていないだけで。そのうちふいにカメラを向けることもあると思いますので、今後も、好きでいてくれるとうれしいです。

 あんまり面白くないと思わせてしまった人には、僕の力足らずです。今後、「響」の読み切り漫画とかを僕が描くことがあったら、試しに読んでもらえたら。意外と面白いと思ってもらえるかもしれません。親のひいき目かもしれませんが、魅力的な子ですから。

 -11月29日には最終回を収録した単行本13巻が発売されました。

 最終回はビックリするくらい評判が良いですね。これは「響」好きな方はもちろん、否定的な人も、最終回を読んだら考えがひっくり返るかもしれないですね。異常に面白い一話が、最終回でできてしまったので。

 まあ、試しに単行本13巻を読んでみてもいいんじゃないのかな。

 以上、5年間、ありがとうございました。