徳島県鳴門市鳴門町土佐泊浦の土佐泊漁港海岸で30日、砂浜が延長約140メートル、幅約50メートル、高さ最大約2・6メートルにわたって流失した。この海岸では砂浜の流失が繰り返され、近年では2004、08両年と12年6月に同様の被害が確認された。原因は分かっておらず、県は安全確保のため防潮堤の陸閘(りっこう)を閉鎖し、砂浜への立ち入りを禁止した。
県生産基盤課などによると、同日午後1時40分ごろ、地元の新鳴門漁協職員が砂浜の流失に気付いて同課に連絡。駆け付けた県職員がメジャーなどを使って流失範囲を計測した。
けが人はいなかったが、海岸近くのワカメ加工場に海水をくみ上げるため、ワカメ漁師が砂浜に敷設しているプラスチック製パイプの一部が流される被害が出た。
海岸周辺は潮流が速く、海底が急勾配となっている。複数の近隣住民によると、砂浜はこの日の朝から徐々に崩れ始め、正午ごろには次々と亀裂が入って流失した。
県は、陸閘を閉鎖したほか、砂浜にロープを張ったり立ち入り禁止を呼び掛ける看板を設置したりした。
新鳴門漁協理事で、現場近くに住む千石協さん(78)は「過去に何回か流失を見たが今回は規模が大きい。危険極まりない」と話した。
現場は、県道鳴門公園線・小鳴門橋の南東約1・5キロ。