県警が県内の医療施設に配備した性犯罪の証拠採取キット

 徳島県警は、性犯罪の被害者に対し産婦人科医に遺留物を採取してもらうための専用キットを、県内の22医療機関に配備した。精神的なダメージなどで被害者が警察への申告をためらう場合でも、証拠を公訴時効(強姦罪で10年)の成立まで保管し、被害者が警察への届け出を決意した時のために備える。

 医療機関は、被害者が治療に訪れると、まず警察へ届け出るよう提案。本人が躊躇している場合は、同意を得た上でキットを使って証拠を採取する。採取した証拠は県警で冷凍保存されるが、医療機関は被害者が警察に届け出ない限り個人情報を知らせない。

 キットに入っているのは、被害者の体に付着した犯人の体液を摂取するための専用綿棒や保管用ケースなど8点。「性犯罪被害者支援のための県警・産婦人科医ネットワーク」加盟の産婦人科クリニックや総合病院に2セットずつ、採取の仕方や保存方法を記した医師用マニュアルと、被害者に証拠採取の趣旨などを知らせる冊子も合わせて配布した。

 県警捜査1課によると、2016年に被害の届け出があった性的暴行事件は2件、強制わいせつ事件は28件。清水英治・性犯罪捜査管理官は「被害は届け出てほしいが、踏み出せない場合は後日でも捜査できる制度があることを知ってほしい」と話した。

 キットを配備している病院は次の通り。

 河野美香レディースクリニック、徳島市民病院、平尾レディースクリニック、梶産婦人科、しんくら女性クリニック、メイプルクリニック高橋産婦人科、徳島大学病院、県立中央病院、恵愛レディースクリニック、祖川産婦人科クリニック(以上徳島市)県鳴門病院、レディースクリニック兼松産婦人科、だいとうレディースクリニック(以上鳴門市)徳島赤十字病院(小松島市)阿南共栄病院、木下産婦人科内科医院(以上阿南市)中山産婦人科、秦産婦人科内科(以上藍住町)手束病院(石井町)吉野川医療センター(吉野川市)つるぎ町立半田病院(同町)県立三好病院(三好市)