口の中が渇いてしゃべりにくい

 【質問】79歳女性です。3年前から唾があまり出なくなりました。喉と口の中が渇いてしゃべりにくく困っています。1月に耳鼻科を受診すると、膠原病との診断。さらに専門病院で組織を調べた結果、シェーグレン症候群と診断を受けました。病院では人工唾液を処方されました。しかし、今も症状に改善はありません。何か良くなる方法はないですか。

 唾液分泌促進薬も有効

 【答え】徳島大医学部耳鼻咽喉科・松田和徳助教

 シェーグレン症候群は膠原病(自己免疫疾患)の一つです。膠原病は、自分の免疫システムが誤って正常な細胞を攻撃してしまう病気で、シェーグレン症候群は、主に唾液腺や涙腺を攻撃することで、口の乾き(ドライマウス)や目の乾き(ドライアイ)が起きます。他にも、関節や肺、腎臓、皮膚、神経を攻撃することで症状が出る場合もあります。シェーグレン症候群の発症メカニズムは完全に解明されておらず、病気の根本治療法は確立していません。現在は症状を制御する対症療法が治療の中心です。さまざまな症状が出るので、眼科、耳鼻咽喉科、膠原病内科、整形外科、皮膚科、歯科など複数の診療科での治療が必要なことがあります。

 ドライマウスの治療法を説明します。まず、普段飲んでいる薬の中には、副作用としてドライマウスを起こす薬があります。担当の医師に聞いてください。そして、減量や中止ができないかを相談しましょう。

 使用中の人工唾液は舌の上だけでなく、舌の下、頬粘膜に噴霧した方が口内で長持ちします。試してください。また、冷蔵庫内での保存で不快な味が軽減できます。保湿成分入りの口腔湿潤ケア剤もあります。併用してもいいかもしれません。さらに、唾液そのものを出しやすくする唾液分泌促進薬もあります。

 唾液分泌促進薬は約60%の患者に有効です。それでも効果には個人差があります。発汗など副作用が出る場合や持病のために服用できない場合があります。服用時は担当医師と相談しましょう。

 ドライマウスはむし歯や歯周病になりやすいです。うがいや歯磨きをきちんと行い、口腔内を清潔に保つ心掛けが必要。定期的な歯科受診を勧めます。口腔内の環境を改善するため、香辛料や乾燥食品、アルコールをできるだけ避けましょう。禁煙も重要です。

 シェーグレン症候群の重症患者は医療費助成が申請できる場合があります。担当医師と相談してください。