徳島県で10月末に麻疹が1名発生しました。小児科医や公衆衛生関係者は強い不安を感じました。麻疹は非常に強い伝染力を持つ病気ですから患者の周囲に伝染していないかどうかが大きな問題になります。幸いに今回の麻疹患者の周囲に2次感染者は発生していないことが明らかになりました。

 今月は麻疹について考えてみました。

 麻疹は昔から命定めの病気として恐れられていました。伝染力がとても強く、免疫のない人が麻疹ウィルスに感染すると100%発病します。発病すると約1週間の発熱に加えて激しい咳や鼻水、目ヤニなどの症状が見られます。元気な子どもでも高熱が続くと食欲が低下して脱水症を起こすことがあります。さらに気管支炎、肺炎、中耳炎や脳炎を合併することもあります。これらは高熱に伴う体力の低下や麻疹ウィルスによる抵抗力の低下によるものです。発疹は発病後3~4日目に多くは耳の後ろから出現して全身に広がります。初めは淡い紅斑ですが徐々に濃い紅斑となり回復期には色素沈着を残します。

麻疹ウィルスは空気感染、飛沫感染、接触感染します。自然感染し発病すると終生免疫を獲得します。麻疹の潜伏期間は10~12日です。発病する前日からウィルスを排出して解熱するまで感染します。

麻疹は治療法のない病気です。麻疹の予防にはワクチンが有効です。定期接種として1歳児に1期を、2期の追加接種は就学前に行います。麻疹の流行を無くすためには接種率を95%以上に保つことが必要です。