未来派の詩人マヤコフスキーの作品は、未来というだけに訳が分からん、とは恥ずかしくて言えず、学生時分は知ったかぶりで通した。それでも一つぐらいは記憶に引っ掛かるもの。新年度、新たな環境に臨む人たちへ、こんな言葉はどうだろう
<ぼくの精神には一筋の白髪もないし、/年寄りにありがちな優しさもない!/声の力で世界を完膚なきまでに破壊して、/ぼくは進む、美男子で/二十二歳>(小笠原豊樹訳)。「ズボンをはいた雲」という詩の一節である
文学愛好家には怒られそうだが、どうせ難しいのだから解釈も無手勝流でいい。若者向けの詩のようではあるけれど、詩が書かれた戦前に比べ、ずっと寿命は延びている。二十二歳が五十五歳で何の不都合があるだろう。男子を女子に読み替えても
世界を完膚なきまで破壊せよ。無論、乱暴になれというのではない。このアジテーションは、むしろ今こそ有効かもしれない。政権与党も「革命」の旗印を掲げる時代である
人工知能(AI)が高度化し、先行き、多くの仕事が失われてしまうらしい。陳腐化していく「これまで」にこだわっていては「これから」が開けない
今日から新年度。必要なのは若い力、この日本、この会社を変えていく意思である。若者も、かつての若者も、全身を気概で満たし、さあ進もう。