中村橋之助改め八代目中村芝翫が演じる「熊谷陣屋」の熊谷次郎直実

 歌舞伎の大名跡である「中村芝翫(しかん)」の八代目襲名披露を兼ねた「松竹大歌舞伎公演」(徳島県文化振興財団、四国放送、徳島新聞社主催)が9月13日、徳島市のあわぎんホールで行われる。演目は平家物語の敦盛の最期を題材にした「熊谷(くまがい)陣屋」。わが子を犠牲にした源氏の武将・熊谷次郎直実の悲しみや世のはかなさが心に響く物語で、八代目芝翫が演じる注目の舞台となる。

 公演は能を舞踊化した演目「猩々(しょうじょう)」で幕開け。かみしもを身に着けた歌舞伎俳優が舞台に並び、芝翫、四代目中村橋之助、三代目中村福之助が襲名を披露する華やかな口上がある。

 熊谷陣屋は、一の谷の合戦後、熊谷直実が平家の若武者・平敦盛の首を討ったと明かす場面が見どころだ。立派だった敦盛の最期を丁寧に語る熊谷。そこへ源義経が現れ、敦盛の首の実検が始まるが、物語は意外な展開を見せる。

 芝翫は熊谷役を成駒屋に伝わる豪傑で古風な趣で演じる。熊谷の家来・堤軍次役を橋之助と福之助がダブルキャストで務める。

 芝翫は人間国宝で名女形だった七世芝翫(2011年死去)の次男。四世以来の立役(男役)を復活させた芝翫が昨年10月まで36年間名乗った橋之助の名は、長男の国生(くにお)が四代目として継いだ。次男宗生(むねお)も三代目福之助を襲名した。芝翫は「熊谷陣屋は成駒屋にとって大切な演目。襟を正すつもりで演じたい」とコメントした。

 公演は昼(午後1時)と夜(午後5時半)の2回。前売り券は6月5日から販売。問い合わせは徳島新聞社事業部<電088(655)7331>。