J2徳島ヴォルティスは8日午後1時5分から鳴門ポカリスエットスタジアムでJ1参入プレーオフ(PO)2回戦のモンテディオ山形戦に挑む。後半戦に巻き返してP0進出を決めた今季の戦いぶりは、6年前の2013年にJ1昇格を果たしたシーズンと共通点が多く、「歓喜の再現」に期待は膨らむ。
今季は前半戦を8勝7分け6敗(勝ち点31)の9位で折り返したのに対し、13年は8勝2分け11敗(同26)の15位ターン。いずれもなかなか波に乗れなかった。
特に似ているのが後半戦の巻き返しぶり。今季は13勝3分け5敗(同42)で、うち28節福岡戦(8月17日)から39節岐阜戦(11月2日)までの12試合を9勝3分けの無敗で勝ち点を積み上げた。13年も時期こそ22節(7月3日)から33節(9月16日)と1カ月半早いものの、この間の12試合を9勝3分けの無敗で乗り切った。戦術が浸透し、チームの一体感が増して結果につながったことも両季に共通している。
最終的な順位は今季も13年も4位。PO1回戦をホームで戦い、1―1で突破したことや前半37分に外国人選手の得点で先制したことも一致している。
「流れは来ている」。13年の昇格戦士の一人で、現在は徳島ヴォルティスユースのアシスタントコーチを務めるアレックスさん(36)はトップチームの戦いぶりに熱い視線を注ぐ。「どんな相手でもボールを保持できるのが強み」と話し、MF岩尾やDFの石井、内田裕ら15年以降一緒にプレーした選手の著しい成長を感じている。
昇格を決めた東京・旧国立競技場での戦いを振り返り「徳島のサポーターは本当に熱く、ピッチで戦う選手の背中を強く押してくれた」。J1鹿島でプレーした11年にナビスコ杯決勝を同競技場で戦った経験と比較し「大きな声援はJ1級だった」と語る。
12月8日は13年のPO決勝が行われ、徳島が四国初のJ1クラブとなったメモリアルデー。山形戦突破に向けてアレックスさんは「頑張り続けているチームは運も味方にできる」とし「徳島のサッカーをJ1で披露してほしい」と6年ぶりの返り咲きへエールを送った。