「オフパコ」「神待ち」―。会員制交流サイト(SNS)では、居場所を求める少女と、その弱みに付け込んで性的行為をもくろむ大人の男性との間に隠語が飛び交う。それぞれの意味は「現実(オフ)でセックス(パコ)しよう」「泊めてくれる『神様』を待っています」だ。

 性暴力被害は若い女性に集中する傾向がある。内閣府の調査(2018年版)によると、「無理やり性交されたことがある」と答えた女性が被害に遭った年齢は、20代が52・5%で過半数を占めた。18、19歳が14・9%、「小学生の時」は12・1%に上った。

 近年はSNSをきっかけにした事件が相次ぎ、18歳未満の被害者は18年に全国で1811人(警察庁調べ)に上った。徳島県警によると、県内の19年の被害者は10月末時点で32人(高校生11人、中学生21人)で、18年(15人)から倍増している。ほとんどが、児童買春・ポルノ禁止法違反や、淫行などの青少年健全育成条例違反事件に巻き込まれた。

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 「少女が事件に巻き込まれる背景には、貧困をはじめ、親からの性的・身体的虐待、ネグレクトなど家庭内に問題があることが多い」。若年女性の支援に取り組む団体「Colabo(コラボ)」(東京)の仁藤夢乃代表は指摘する。

 厳しい家庭環境下で居場所をなくした少女は、寝る場所や食事の提供を受けるのと引き換えに、性的に搾取されている。写真や動画を流出させるリベンジポルノの被害に遭ったり、性産業にあっせんされたりするケースもあるという。

 コラボには、徳島など地方からも相談が寄せられる。仁藤代表は「都市部だけの問題ではない。助けを必要とする子どもは身近にいるはずだ」と支援の重要性を強調する。

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 「全国よりそいホットライン」の遠藤智子事務局長によると、日本は子どもの性の商品化への意識が希薄で、児童買春を巡っては非難されるべき「買う側」の大人よりも被害者を責める声が根強いという。

 遠藤事務局長は「性が価値を持ち、注意する人もいないSNSの世界に少女は居場所を見つけている。大人の男性にされる行為を性暴力と認識できていないのではないだろうか」。事件化しない限り少女たちの口から被害の実態が語られることはなく、「大人が若年層の性被害に注目し、手を差し伸べていくべきだ」と訴えている。

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