性暴力や性差別をなくそうと訴える「フラワーデモ」の参加者=7月、徳島駅前

 7月、花柄のスカーフやワンピースを身にまとった人が、花を持って徳島駅前に集まった。全国で相次いだ性犯罪事件の無罪判決に反対し、性暴力や性差別をなくそうと連帯する「フラワーデモ」の参加者だ。4月、作家の北原みのりさんらが東京で声を上げて全国に広まり、徳島でも催された。

 デモは被害者に寄り添う「♯with you(ウィズユー)」の気持ちの象徴として花を手にし、リレートーク方式で話す。声は張り上げない。「職場でお尻を触られた上に、『そのくらい受け流せなくてどうする』と責められた」「性虐待を受け、学校だけが安全な場所だった」。参加者の中には、同性から受けたレイプ被害を打ち明ける男性の姿もあった。

 主催したウィメンズカウンセリング徳島(徳島市)の河野和代さんは「誰にも性被害を打ち明けられず、抱え込んでしまう人が多い。自分は悪くない、一人じゃないと気付いてもらえたと思う」と話した。

■  ■  ■

 デモのきっかけとなった無罪判決は3月に4件あった。

 名古屋地裁岡崎支部は、19歳の娘と性交したとして準強制性交罪に問われた父親について、中学生の頃から性虐待があったと認定しながらも「娘が抵抗できないほどの支配関係になかった」とした。酒を一気飲みさせられて眠り込んだ女性と性交した男に対し、福岡地裁久留米支部は「女性が許容していると誤信する状況にあり、故意が認められない」との判断を示した。

 同意のない性行為と認定されても、現行法では一定の要件を満たさないと罰せられない«表参照»。お茶の水女子大の戒能民江名誉教授(ジェンダー法学)は「法には被害者の視点が入っていない。性暴力は抵抗の意思を示せない関係の中で起きることが多く、暴行・脅迫要件などはなくすべきだ」と指摘する。

■  ■  ■

 北原さんは、フラワーデモを始めたきっかけについて「いてもたってもいられず、とにかく集まった」。その上で「寄り添ってくれる人がいないと被害者は声を上げられない。これまでの日本社会には『ウィズユー』が足りなかった」と言う。

 痛みを共有して社会を変えていこうという輪は全国に広がり、11月には29都市で開催された。北原さんは「私たちの声が性暴力をなくすための力になる。諦めずに声を上げ続けたい」と話す。

 今月11日午後6時から徳島駅前で2回目の「フラワーデモとくしま」があり、多くの人が性差別の根付く法制度や社会に「ノー」を示す。 =第2部おわり

 フラワーデモとくしまはリレートーク方式で被害体験などを共有し、どうすれば性暴力や性差別のない社会にできるかを考える。問い合わせはウィメンズカウンセリング徳島<メールfu|ko@eagle.ocn.ne.jp>。

 連載へのご意見やご感想、体験談を〒770―8572(住所不要)徳島新聞社会部までお寄せください。ファクスは<088(654)0165>、メールはsyakai-bu@topics.or.jp