今季開幕直後に名古屋から加入した杉本竜士が、東京Vとの対戦で奮闘した。東京Vはジュニアユースに始まりユース、トップ昇格と、中学校時代から約10年間を過ごしたクラブ。「古巣で思い入れはある」という相手に、2点を追う後半開始から投入された。「ひっくり返せれば1-0で勝つよりもドラマチック。観客も増えるだろうし、悲観だけをしているつもりはなかった」との強気の言葉通り、ピッチに立つと一気に攻撃を活性化させた。
中盤左サイドに入ると、高い位置取りで得意のドリブルを仕掛け、敵陣深くまで切れ込んだり、ゴール前に走り込んだり。1人、2人と相手を引きつけて、杉本太郎ら味方へのパス、ゴール前へのクロスで、チャンスをつくり出した。守備でも、前線へのプレス、自陣まで攻め入った相手を追い、チームのために走り続けた。
徳島に移籍後、最長の45分間出場。徳島の攻撃のアクセント、守備を固めてくる相手に対する攻めのオプションとして、今後の活躍を期待させる動きでスタジアムを沸かせたが、本人はまったく納得していない。「ゴールも入っていないし、試合に負けたことがすべて。反省しかない。追求していかないと」と言い切る。
序盤の失点に始まり、大量失点での敗戦となった試合だが「何試合もある中での1敗。考えすぎて自信をなくしてしまっては元も子もない」と冷静に受け止める。今季はまだ7試合を終えたところで、長いシーズンは続く。「今までの練習や監督の下でやってきたことにひとつも間違いはない。結果は必ずついてくる」と、ぶれずに取り組むことの重要性を語る。栄光をつかむため、徳島のスタイルを貫いていく。