徳島、和歌山両市を結ぶ南海フェリー(和歌山市)は、新造船「あい」(2825トン)を12月15日に就航させる。「つるぎ」(1997年7月就航)、「かつらぎ」(99年10月就航)以来となる20年ぶりの新しい船。眺望抜群のグリーン席や、女性だけや1人の移動でも快適なバラエティー豊かな座席、船内各所に配されたインスタ映えスポットなど、おもてなしの工夫が随所に凝らされた船内にひと足早く潜入してリポートした。(S)

15日から就航する「フェリーあい」(ドローン撮影)

 「あい」は全長108メートル、幅17・5メートルで、つるぎやかつらぎとほぼ同じ大きさ。白を基調に阿波藍をイメージした藍色のラインが2本引かれた船体は「青い海と白い波」「青い空と白い雲」を表現しており、大きなハートに「I」や「愛」の文字が配されたマークが描かれているのも特徴だ。安全性を高めるため船底を二重にしており、車両積載能力は8トントラック換算で37台分、旅客定員は427人だ。

写真を拡大 徳島をイメージして藍色が多く使われた内装
 
写真を拡大 阿波踊りの踊り子などがデザインされた椅子席
 

 内装にも藍色が多く使われ、藍染の作品が壁に飾られたり、椅子席の一部に阿波踊りの踊り子などがデザインされたりと、全体的に徳島がコンセプトになっている。

写真を拡大 明るく開放的なグリーン席。船首側に設置された大きな窓から素晴らしい景色を望むことができる
 
写真を拡大 足乗せ用のオットマンや収納テーブルが付属してリラックスできるグリーン席のリクライニングシート
 

 船首寄りにある椅子席の上階スペースには、明るく開放的なグリーン席が設置されている。正面の大きな窓から素晴らしい景色を望むことができ、足乗せ用のオットマンや収納テーブルが付属したリクライニングシートが18席、3人掛けと4人掛けのソファー席が1つずつ用意されている。

写真を拡大 ゆっくりくつろげる絨毯席
 
写真を拡大 初めて設けられた女性優先席
 

 椅子席後方には、絨毯(じゅうたん)が敷かれてゆっくりくつろげるスペースがある。今回初めて設けられた、女性だけで安心して過ごせる女性優先席や、お年寄りや障害者が使える優先席など6区画に分かれている(うち1区画は船尾寄り)。

写真を拡大 4人掛けと6人掛けのテーブルが計12卓あるファミリー席エリア
 
写真を拡大 新設されたカウンター席。海を見ながらゆったり過ごせる
 
写真を拡大 パーテーション付きのシングルシートはビジネスマンにうれしい
 
写真を拡大 南海フェリーのオリジナルキャラクター「阿波野まい」が迎えてくれる
 

 絨毯席後方のファミリー席エリアには4人掛けと6人掛けのテーブルが計12卓あり、家族や友達と会話をしたり飲食を楽しんだりできる。ファミリー席の両サイドにはカウンター席が10席新設され、1人でも海を見ながらゆったり過ごせる。

 ファミリー席の前後にはコンセントや明かりを備えたパーテーション付きのシングルシートを12席確保している。移動の合間にもパソコンなどを使って仕事を進めることができるため、ビジネスマンらに喜ばれそうだ。

写真を拡大 静かにくろげる「ドライバールーム」。シャワー室も完備している
 
写真を拡大 ベビールームでは授乳や、おむつ替えができる
 

 その他、船尾寄りにはトラックドライバー専用で静かにくつろいで疲労を回復できる「ドライバールーム」や、授乳用のカーテン付きシートやおむつ替え用の台を備えて乳児連れのパパやママにうれしいベビールームを完備。外国人観光客の利用が増えていることから、案内表記や放送は多言語で行われ、快適に過ごせるようになっている。

写真を拡大 船尾の甲板には船のハンドル「舵輪」を模したモニュメントが。中央には「あい」のシンボルであるハートマークがある
 
写真を拡大 船内には他にもさまざまな所にハートマークが隠されていて、探索して見つけ、撮影する楽しみもある
 

 船内各所には「あい」のシンボルであるハートマークが隠されていて、探検して見つける楽しみがあるほか、おなじみの南海フェリーオリジナルキャラクター「阿波野まい」の等身大パネルもあり、写真を撮影してSNSにアップする「映え」にも配慮している。

 船の名前は公募で集まった1187点のうち、同じ名前に30点が寄せられた。内装に藍色を多く使うことや「愛する家族や友人に会うための船旅」など、船のイメージに合っていることから選んだ。

 15日は和歌山港午前10時35分発の便から就航。徳島側からは徳島港午後1時25分発の便から乗船できる。両便の先着100人には記念品をプレゼントする。

 1997年から就航しているフェリー「つるぎ」は老朽化しているため、15日の徳島港午前8時発の便で引退する。同日以降は99年就航の「かつらぎ」と「あい」の2隻体制での運航となる。