接種を悩んでいる

 【質問】小学校高学年の娘のことです。子宮頸がん予防ワクチンの接種を悩んでいます。インターネットで調べてみると、厚生労働省は接種を積極的に勧めていないことや、副作用がまれに起きるなど、デメリットばかりが目に入ります。身内にがん患者がいて不安です。本当に予防できるなら娘に接種させたいと思います。インターネット上は情報が多すぎて何がいいのかよく分かりません。子宮頸がん予防ワクチン接種の有無による子宮頸がんの罹患率の差はどのくらいですか。また、接種する本人や保護者が気を付けることを教えてください。

 効果あり 副作用恐れずに

 【答え】古本博孝・徳島市民病院副院長

 現在日本では副作用の問題で子宮頸がん予防ワクチンはほとんど接種されていません。

 一方、欧米は順調にワクチン接種が進んでいます。その結果、子宮頸がんの発生数が激減しています。今後、ワクチン接種がさらに進めば子宮頸がんの撲滅(10万人当たり4人未満)も期待できます。

 副作用として報道された慢性疼痛や運動障害などの症状が出る少女は昔から一定の割合(10万人当たり20・4人)で存在します。そして、ワクチン接種によってその頻度が増加しないことが明らかになっています。

 名古屋市や厚労省の調査でも、副作用の発症率に差がないことが報告されています。世界保健機関(WHO)は接種勧奨を再開するように再三アナウンスしています。しかし、今の日本でワクチン接種の勧奨を再開すると、強い非難を浴びる可能性があり、政府は再開におよび腰です。

 日本で認可されているワクチンは原因となるウイルスのうち16型と18型の2種類しか予防できません。一方、欧米で使用されているワクチンは7種類を予防できます。日本のワクチンを12歳で接種すれば子宮頸がんが73%減少するとの推計があります。7種類を予防するワクチンなら、さらに高い効果を期待できます。ワクチン接種は筋肉内注射で結構強い痛みがあります。敏感な人は、ごくまれに失神することがあり、座った姿勢で接種するか、支えてくれる人がいた方がいいですね。接種後に場合によってアレルギー反応などがあるので、すぐに帰宅せず30分は安静にしてください。接種部位を清潔に保ち、24時間は過度な運動を避けましょう。入浴は当日から問題ありません。

 日本では毎年約1万人が子宮頸がんに罹患し約2700人が死亡しています。前がん状態の人はその数倍います。残念ながら副作用のないワクチンはありません。それでもワクチン接種するメリットの方がデメリットよりも大きいと思います。だからワクチン接種を勧めます。副作用が起きた場合でも治療体制が確立しています。最寄りの産婦人科でぜひ相談してください。