県内5高校の57人が一日だけの編集部を結成し、交流新聞の制作を行った徳島県高校総合文化祭の新聞部門。今回は、取材先の徳島大総合科学部でつかんだ「ネタ」を基に記事を書き、紙面をつくり上げていく編集作業を紹介する。

編集用パソコンを見ながら紙面レイアウトについて打ち合わせする生徒たち

 学校の垣根を超えて7チームに分かれた編集部員たち。記事や写真を持ち寄り、レイアウトや見出しについて打ち合わせを重ねながら紙面の完成を目指す。

 城東2年釣井早瑛さん(17)は、平木美鶴教授の研究内容を記事にした。平木教授は絵画を専門としながら、現在ではLEDを用いた新しいディスプレーの開発に学生と共に取り組んでいる。釣井さんにとってはこれまで注目することのなかったジャンル。「研究が新鮮に感じられ、興味を引かれたので書きたくなった」と動機を明かす。

 新聞部に入部したのは今年になってからで、まだ執筆経験も決して豊富とは言えない。そんな中で他校の生徒と新聞をつくることには緊張もあった。「価値観や感性が違う生徒たちとつくるので、いつも以上に読み手を意識して書いた。まとめるのは大変だったが、納得できる記事になった」と振り返る。

紙面が形になり始めると、思わず笑顔がこぼれる

 締め切り予定時刻が近づくにつれて、生徒たちの間にも焦りが見え始めた。メンバー全員が編集用パソコンの前に集まってレイアウトを相談しているグループもあれば、それぞれが机に向かい、記事を枠内に収められるよう文字数を調整しているグループも。

 「時間との闘い」の様相が色濃くなるにつれ、表情も真剣さを増していく。締め切り半時間前には何人もの生徒が「あと30分しかないの?」と口にする。

 脇町2年の宮内稔さん(17)は、新聞部では副部長を務めている。学校新聞はほぼ一人でつくることもあり、後輩を指導する立場ながら、今回は苦戦した様子だ。レイアウトのイメージは最初からできていたが、記事のボリュームが思い通りにならず、試行錯誤を繰り返した。

 「他校の生徒たちの考えを聞きながら紙面をつくるのは新鮮。一人でつくるのと違って思い通りに進まないのも貴重な経験だった」と話した。写真のトリミングやレイアウトの調整など、課題も見つかった。「編集技術をもっと磨いて普段の学校新聞に生かしたい」と力を込めた。

完成した交流新聞。いずれも力作ぞろい

 結局、全グループが新聞を完成させたのは締め切り予定時刻を2時間以上も過ぎた午後6時半ごろ。どの生徒にも疲れが見えるが、印刷された新聞を手にすると、ふっと表情が明るくなった。
 努力が結集した紙面を手に取る瞬間が、何よりも自分をねぎらってくれる。高校生編集者たちの、長い一日が終わった。