大塩さん(左)から合格祈願の草履を受け取る貞光中生=つるぎ町の同校

大塩さんが受験生に贈った合格草履

 徳島県の旧阿波商業高校(現阿波西高)元校長の大塩邦光(くにひこ)さん(83)=同県つるぎ町貞光大須賀=が、高校受験を控えた貞光、半田両中学校の3年生64人と貞光中から県外に転校した生徒1人に今年も合格祈願のわら草履を贈った。2006年から続けている取り組みで、生徒たちは大塩さんの激励に喜んでいる。

 草履は縦7センチ、幅3・5センチ。10月に半田地区の友人から稲わらを譲り受け、一足ずつ丁寧に編み上げた。鼻緒は妻伸枝さん(80)が赤や青など色とりどりの布で作り、「祈 合格」と印字した札を付けた。

 大塩さんは終戦直後の物資がない時に祖母からわら草履の編み方を教わり、小学校高学年から中学時代にかけては自分で編んだわら草履で学校に通ったという。その時に覚えた編み方が今もでき、合格祈願のわら草履制作につながっている。

 10日に貞光中で贈呈式があり、大塩さんが葛籠孝史さん(15)と藤本豪太さん(15)に草履を渡した。2人は「悔いのないようしっかり勉強して試験に挑みたい」とお礼を述べた。

 合格祈願のためにわら草履を贈るのは、かつて吉野川で漁をする際、川底で滑るのを防ぐ「滑り止め」としてわら草履を履いていたことにちなんでいる。「自らの努力で合格してほしい」と、1人につき片足分だけ贈っている。