北井上西部土地改良区のポンプ場修繕工事を巡る贈収賄事件で、社長ら2人が逮捕された建設会社「永建」が工事を約1100万円で請け負いながら、約500万円で別業者に丸投げしていたことが8日、県警への取材で分かった。

 県警によると、永建は2015年1月に改良区の関連団体・北井上西部環境保全協会から工事を約1100万円で受注した。その後、徳島市内のポンプ修理の専門業者に約500万円で下請けに出し、この業者が同年5月ごろまでに工事を終えた。永建は単純計算で600万円近くの利益を得る見込みだったことになり、捜査関係者は「かなりの利益が出るうまみのある工事だった」とみる。

 ただ、永建は330万円(貸付金130万円を含む)の賄賂を改良区前理事長の鎌田穗積容疑者に渡したほか、協会から約400万円が未払いとなっており、結果的に利益はほとんど出なかったようだ。

 修繕工事の事業費には、国や県などの交付金が充てられている。県の担当者は「事実とすれば過剰な見積もりで工事を発注した疑いもあり、交付金事業としては不適切だ」と話した。