神山町が進めた神山中学校旧寄宿舎(同町神領)解体工事で、コンクリートの基礎部分が地中に残されていた問題で、調査していた県環境指導課は9日までに、廃棄物の不法投棄に当たらないとの結論を出した。「基礎は地固めの役割を果たしており、残すことに合理的な理由がある」と有用性を認めた。

 同課は4月下旬から町への聞き取りと現地視察を行った。その結果、現地は水田に盛り土をして造成されており、基礎があることで緩い地盤が安定している点や、用地が鮎喰川の護岸の一部を構成しているため撤去すると護岸のバランスが崩れる点などから、有用と判断したという。

 廃棄物処理法の対象となる「廃棄物」の解釈には、周辺の生活環境に影響がなく、明確な意図を持って置かれた工作物(有用物)は除外するとの国の指針がある。神山町は、県に協議を持ち掛けながら、基礎が有用物かどうかの結論が出ないまま着工していた。

 同課は「話が途中のまま町が解体を行ったため当初は問題視したが、もっともな話が得られた」とする。神山町総務課は「基礎を現地に残すことに、県から廃棄物処理法による許認可の規定はないと言われたので町の判断で着工した。理にかなった判断が出た」とした。