三好市議会は10日、臨時会議を開き、7月2日告示、9日投開票の三好市長選に出馬を表明している仁尾健治市議が出した議員辞職願を、賛成少数で不許可とした。許可に反対した市議は「辞職に伴う市議補選を行わないようにするため」としている。仁尾市議の辞職は、市長選の立候補届け出と同時に失職するまで先送りとなる見込み。有識者は「市民が代表を選ぶ権利を奪っている」と指摘している。

 三好市議会で議員辞職願が不許可になったのは初めて。全国市議会議長会は同様の事例をまとめておらず、過去に不許可となった事例がどの程度あるのかは不明。

 この日の臨時会議では仁尾市議の辞職願について、木下善之市議が異議を申し出た。市議22人のうち山子凱雄議長と仁尾市議を除く20人で採決した結果、賛成9、反対10、退席1で、辞職は許可されなかった。

 公選法によると、今回のケースでは6月21日までに市議に欠員が生じた場合、市長選と同時に市議補選が行われる。7月2日の市長選立候補届け出と同時に失職した場合は、市議は欠員1のままになる。

 木下市議は取材に対し「経費削減のため補選を行わないのが妥当と判断した」と説明。補選を行わなかった場合は、選挙費用約1千万円と、7月10日から任期満了となる来年4月15日までの新議員の報酬約330万円が削減できるとした。

 4月18日付で議長宛てに辞職願を提出していた仁尾市議は「辞職が認められないとは思ってもいなかった」と驚きを隠さない。辞職願の再提出には市議会の合意が必要で「議会の決定に従うほかない」と話した。

 地方自治に詳しい鳴門教育大学大学院の山本準教授(社会学)は「補選が行われないと、市民が代表を選ぶ権利が失われ、立候補を希望する人の被選挙権行使も妨げることになる。一部の議員による制度の恣意(しい)的な運用と受け取られても仕方ない」としている。