新代表に就任した谷田氏㊨と徳島インディゴソックスの南社長

 正直、驚いた。徳島インディゴソックスの新たな球団代表に、谷田成吾氏が就任した。華麗な球歴の持ち主で、どのようなチーム運営をしていくのか、どのようにチームや地域が変わっていくのか、期待が膨らむ。

徳島インディゴソックス時代の谷田氏

 野球ファンなら知られた存在だ。埼玉県出身。慶応義塾高校、慶応義塾大学で活躍した。しかしプロ野球からドラフト指名されず、社会人野球のJX―ENEOSに進んだ。ここでもドラフト指名されなかったため、アメリカに渡ってMLB(メジャーリーグベースボール)に挑戦。2018年5月に徳島インディゴソックスに入団し、最後のプロ入りを目指したものの、夢がかなわず現役生活にピリオドを打った。

 引退後は都内のIT関連企業に就職していたが、徳島インディゴソックスからオファーを受けて決断。再び徳島の地に足を踏み入れた。

 谷田氏は早速動き出した。来季の開幕シリーズ1万人動員プロジェクトと、徳島インディゴソックスサポーターズクラブを立ち上げた。

 1万人動員プロジェクトは、ファンと共に盛り上げ作り上げていく企画で、クラウドファンディング(CF)で関係する費用(目標200万円)の募集を始めた。サポーターズクラブは、特典や最新情報が受け取れる。

 徳島インディゴソックスは、独立リーグのチームの中でも群を抜いてNPB(日本プロ野球機構)に選手を輩出している。2013年から7年連続でドラフト指名選手を出し、この7年間の指名選手は、育成ドラフトも含めて13人に上る。

 国内独立リーグの15チーム(19年)の中では、突出している。四国アイランドリーグplusに所属する他の3球団をみると、香川オリーブガイナーズは8人、愛媛マンダリンパイレーツと高知ファイティングドッグスは1人もいない。北信越や関東などのチームでつくるルートインBCリーグの11球団も、最多は埼玉武蔵ヒートベアーズと石川ミリオンスターズの7人だ。

 今季1軍に定着した巨人の増田大輝選手(小松島高校出身)や、今年のドラフトで埼玉西武ライオンズから指名を受けた岸潤一郎選手(明徳義塾高校出身)は、大学を中退して一度野球を辞めていたものの、徳島インディゴソックスで再びユニホームに袖を通し、プロ入りを実現させた。

 一方、観客数は低迷し、18年の赤字額は1000万円を超えるなど厳しい経営が続く。谷田氏は「2020年の単年度黒字化と23年までの年間観客動員6万人を達成したい」と抱負を語っている。決して簡単な道ではないだろう。それでも覚悟を決めて徳島にやってきた。県民の協力なくして実現はあり得ない。新生インディゴソックスの歩みを、応援したい。(卓)