林隆司さん

 小松島市和田島町の基地でパイロットや整備士ら約400人のヘリコプター部隊を束ねる。災害時の救助活動を指揮するほか、激しい内戦や海賊の略奪行為が相次ぐ海外にも隊員を派遣する。「市民、隊員の命を預かる仕事。あらゆる事態に即応できる体制を築きたい」と表情を引き締める。

 災害救助で忘れられないのが2017年7月の九州北部豪雨だ。長崎県の航空隊司令として、福岡県朝倉市などで被災者救助に当たった。「避難者や倒壊した民家を見て、救助活動の重要性を再認識した。隊員の訓練を積みたい」

 横浜市出身。少年時代に自衛隊の基地を見学し、パイロットに憧れた。明治学院大卒業後に入隊。ヘリ操縦の道に進み、高い技能が必要な飛行セレモニーの編隊長も経験した。09年にはヘリ搭載型護衛艦「ひゅうが」での初訓練にも参加した。

 徳島は2度目の赴任。入隊3年目に徳島教育航空群に配属され、約半年間パイロットの訓練を積んだ。勤務を終えて同期らと酌み交わしたスダチ酎の味が忘れられず、「また飲みたい」と声を弾ませる。

 座右の銘は「人間万事塞翁が馬」。人生には幸、不幸の波があるとし、「パイロットの仕事は一瞬の気の緩みが事故を招く。目の前の出来事にとらわれ過ぎないよう、心掛けている」と話す。

 ドライブや旅行が趣味で、三好市の祖谷のかずら橋を訪れたいという。「でも実は、高所恐怖症なんです。航空機で空を飛ぶのとはまた違いますよ」と笑った。49歳。