徳島科技の5区杉本㊨が38位で6区吉成にたすきを託す=京都市内の烏丸紫明第5中継所

徳島科技の5区杉本㊨が38位で6区吉成にたすきを託す=京都市内の烏丸紫明第5中継所

 男子第70回全国高校駅伝は22日、京都市のたけびしスタジアム京都を発着点とするコース(男子=7区間42・195キロ)で行われた。地区代表11校を加えた58校が出場する中、徳島県の徳島科技(4年ぶり24度目)は2時間7分55秒で走り、42位でレースを終えた。

  仙台育英(宮城)が2時間1分32秒で12年ぶり8度目の優勝を果たし、わずか3秒差で倉敷 (岡山)が2位に入り、3位は佐久長聖 (長野)だった。

男子評 徳島科技が序盤の遅れを総合力でカバーし、目標の2時間7分台をマークした。1区河野が54位の厳しいスタートとなったが、2区で奥田が一つ順位を上げると、3区盛が45位、4区生田が40位まで巻き返し、5区杉本が2人抜いて38位へ浮上。6区吉成、アンカー岩佐も懸命に粘り、42位でゴールした。

 ◇男子の区間1位と徳島科技(【】数字は通過順位)

  ▽1区(10キロ)佐藤一世(千葉・八千代松陰)28分48秒<54>河野涼太31分26秒▽2区(3キロ)白井勇佑(宮城・仙台育英)越陽汰(長野・佐久長聖)佐藤圭汰(京都・洛南)8分7秒<35>【53】奥田龍星8分35秒▽3区(8・1075キロ)フィレモン・キプラガット(岡山・倉敷)22分44秒<26>【45】盛友士24分41秒▽4区(8・0875キロ)伊井修司(群馬・東農大二)松並昂勢(福岡・自由ケ丘)22分55秒<31>【40】生田琉海23分54秒▽5区(3キロ)上仮屋雄太(兵庫・須磨学園)8分36秒<23>【38】杉本琉起8分53秒▽6区(5キロ)ムチリ・ディラング(宮城・仙台育英)14分6秒=区間新<52>【40】吉成啓介15分21秒▽7区(5キロ)小牧波亜斗(京都・洛南)14分8秒<34>【42】岩佐祐誠15分5秒

 

中盤 懸命の追い上げ 科技

 42位でゴールした徳島科技。2時間7分55秒は前身の徳島東工、徳島工時代を含めて24度の出場中、8位入賞した44回大会の2時間7分46秒に次ぐ2番目の好記録。梅本監督は「2時間7分台の目標は達成できた」と選手をたたえた。

 苦しいスタートを強いられた。30位台が期待された1区河野が54位と大きく出遅れ。ここで順位を一つ上げて悪い流れを断ち切ったのが、2区に起用された1年生の奥田。ただ内容には満足していない様子で「1秒でも早く走りたかった。実力不足を感じた」と悔しさも口にする。

 後輩の頑張りに3年生も奮起した。3区の盛主将が8人抜きの力走を見せれば、4区生田は「前を抜くことだけに集中した」と5人抜き。800メートルが専門の5区杉本は「8分台は自分でも驚き」とチームトップの区間23位で38位まで押し上げた。

 都大路は全員が初めての経験。試走を重ねたとはいえ、前日のミーティングでも硬さが感じられたため、盛主将は「やってきたことを信じて最後は笑顔で終わろう」と仲間を鼓舞した。チームとしての好記録も全国では40位台。来年は選手の大半が入れ替わる。「ここから自分たちを超えて20位台を達成してほしい」と盛主将。伝統校の再挑戦が始まる。