子どものインフルエンザは高熱を伴うために熱性けいれんや意識障害、異常行動などの精神・神経疾患を疑わせる症状が見られることがあります。高熱でうなされることや意識もうろうとなることは熱せん妄と呼ばれる症状で、解熱とともに症状は消失します。

 しかし異常行動に熱性けいれんや意識障害を伴い、これが長く続く時や完全に回復しない時には脳炎・脳症などの神経疾患を疑う必要があります。また異常行動が見られるときにはその行動によって外傷などの事故が起こる可能性がありますから注意が必要です。

 インフルエンザに伴う異常行動については抗ウィルス薬タミフルが異常行動の原因であるとして注意喚起されたことがありました。しかしその後の調査では、他の抗ウィルス薬の使用時にも同様の異常行動が見られることや抗ウィルス薬を使用しない場合でも異常行動が見られることが判り、最近では薬剤の副作用だけでないと考えられています。

 インフルエンザに伴う異常行動には突然立ち上がって部屋から出ようとする、興奮状態で駆け回り意味の分からないことを言う、興奮して窓を開けてベランダに出ようとする、自宅から出て外を歩いて、話しかけても反応しない、人に襲われる感覚を覚え外に飛び出す、突然笑い出し階段を駆け上がろうとする、などの報告があります。

 異常行動が発生すると転落や衝突などの事故につながる危険性があります。インフルエンザの治療中には、少なくとも最初の2日間は子どもが一人にならないように注意します。玄関やすべての部屋の窓を確実に施錠します。治るまで十分な観察をする必要があります。