時代とともに変わる光景。気付いたときには、記憶の中にしか残っていないことも多い。たとえ変化しても、後世に伝えておきたい古里の姿がある。そんな場所を求めて、カメラを手に徳島県内を巡る。(吉本旭)

 

 川の中に巨大なコンクリートの構造物が現れだしたのは昨年。2019年度の完成を目指す四国横断道・吉野川大橋(仮称、延長1696・5メートル)の橋台が建ち並ぶ。橋桁が乗った形を想像するのはまだ難しいが、数年で劇的に変わることは間違いない。今では違和感が強いものの、なじんでいくのだろう。

 

 1985年に大鳴門橋が開通した時、鳴門海峡は一変した。しかし今では、橋が無かった景色を思い出すのも難しい。

 国道11号の吉野川大橋ができたのは1972年。2012年には、その下流に阿波しらさぎ大橋が完成した。技術の進化と人々のニーズの高まりは、次々に長大橋を実現させ、河口の姿まで変えようとしている。