阿南市科学センター(同市那賀川町上福井)が、地球や月などの画像を立体的に映し出すシステム「ダジック・アース」を県内で初めて導入した。平面では不可能だった自転を分かりやすく再現でき、子どもの宇宙への関心を高める。5月以降、小学生向けの宇宙学習や天体観測イベントなどで活用する。
プロジェクターで画像を半球体や球体に投影し、自転する地球などを映し出す。京都大大学院理学研究科の研究チームが2007年に開発し、無料でダウンロードできるソフトを使用する。
地球の画像では台風やサイクロンの動き、四季の移り変わりなどを映し出せる。月は満ち欠けの様子や、地球から観測できない裏側も見える。画像は太陽、水星、木星、金星などもあり、センターでは発泡スチロール製の半球体(直径1・2メートル)に投影する。
導入のきっかけは、市教委とJAXAとの「宇宙教育に関する協定」の一環で、昨年12月にJAXA職員が市内の小学校で行った特別授業。職員がダジック・アースで月面を紹介したところ、小学生に好評だったため、授業に同席していたセンターの今村和義専門指導員が導入を提案した。
1回目は、5月30日にセンターで行われる大野小学校4年生を対象にした月の学習で活用される予定。本年度内にセンターでの常設展示も行う。
今村専門指導員は「ダジック・アースで宇宙をより身近に感じてもらい、宇宙好きの子どもが増えてくれたらうれしい」と話している。