美馬準一さん

奨学金を受けて進学し教員になったプリティ・グルンさん=2019年12月、ブジュン国立学校(徳島ネパール友好協会・早田健治さん撮影)

 徳島ネパール友好協会が小水力発電所を贈るなど友好関係を続けているネパール・ブジュン村で、会員の寄付を原資に奨学金制度が創設され、多くの子どもたちが学校に通っている。1997年からの22年間で延べ400人が利用。それぞれの道に進み、国内外で活躍している。

 寄付したのは、友好協会顧問の美馬準一さん(94)=徳島市佐古七番町、会社役員。発電所起工式に出席するため97年に村を訪れた際、電気のない教室で、ぼろぼろの教科書をむさぼるように読んでいる子どもの姿を目にした。

 「貧しかった頃の日本のようだった」と、教育を受けることに苦労した自らの少年期が重なった。「発電所ができて村に明かりがともっても、人材育成が伴わなければ村の発展はない」と考え、寄付を決意。帰国後に50万円を現地に送った。

 その資金を基に村が奨学金制度を創設。選考を経て毎年約20人の小中高生が奨学金を受けている。1人当たり年額千ルビー(日本円で約千円)で、この額があれば1年間の学費を賄える。

 子どもたちの学びの意欲を感じた美馬さんは、その後も寄付を続け、総額は100万円を超えたという。

 毎年現地からの報告を心待ちにしているという美馬さん。「子どもたちがお金を心配することなく、勉強を続けられる環境ができた。村や国を支える人物に育ってくれれば、これほどうれしいことはない」と話している。

 NPO法人徳島ネパール友好協会 県内の登山愛好家が中心となり1996年設立。電化を進めてヒマラヤ山系の森林破壊を食い止めようと、99年にネパール・ブジュン村に小水力発電所を建設した。その後、訪問を繰り返しながら親善を深め、農作業の負担軽減のための索道建設などに取り組んだ。2015年のネパール大地震の際には復興を支援した。現地では協会の活動を顕彰し「徳島ミュージアム」の開設が進められている。