写真を拡大 「カイト」制作に向けて対話する米津玄師さん(左端)と嵐のメンバー(山田智和撮影)

 徳島県出身のシンガー・ソングライター米津玄師さんが作詞・作曲を手掛け、国民的アイドルグループ嵐が歌うという夢のコラボレーションが実現したNHK2020ソング「カイト」が31日放送の紅白歌合戦で初披露された。番組内では制作風景や米津さんと嵐のメンバー5人との対話風景を収めたドキュメンタリー映像も流され、米津さんが「今の自分は誰かに生かされてきたということを考えながら作った」と曲に込めた思いを語った。

 ドキュメンタリー映像は「カイト」の制作に向けて行われた米津さんと嵐メンバーの初顔合わせを振り返る6人での対話や、米津さんが自らディレクションを務めたレコーディングの様子などを追ったもの。この中で、松本潤さんが楽曲について「不思議な懐かしさがありますね」と感想を述べたのに対し、米津さんが「それは曲を作る上で大事にしている部分かもしれないですね」などと創作の背景を語る一幕もあった。

 また、歌詞に登場する「そして帰ろう」という言葉を非常に気に入っているという、相葉雅紀さんが「あの言葉で救われるんだよね。すごい頑張ってるんだけど、やっぱり糸つながってるから帰れるんだなって思うと。すごいなんかね救われるんですよ」と絶賛すると、米津さんは「いろんな人に生かされてきたなっていう風に思うんで。最終的にそういう帰れる場所みたいなのがね、あると」と曲に込めた思いを語った。

 2020年東京五輪・パラリンピックのメインスタジアムとなる国立競技場で行われた「カイト」の初パフォーマンスでは、冒頭、競技場入り口で米津さんが「今の自分は身の回りにいる人間や、遠くで影響を与えてくださったたくさんの方々にちょっとずつ許されながら生きてきたと思っていて、それは決して忘れてはならないことだと自分を戒めるような気持ちでこの曲を作りました」と説明。米津さんが振り返ると、競技場中央に立つ嵐の5人がライトで浮かび上がった。

 「カイト」は米津さんらしい壮大なメロディーのミディアムナンバーで、夢に向けて頑張る人に対して「君の夢よ 叶えと願う」「哀しみを越えてどこまでも行こう」とエールを送るとともに、支えてくれた故郷の父母や友人らを懐かしみ、感謝をつづる歌詞になっている。「嵐の中をかき分けていく小さなカイトよ」と嵐のグループ名も歌い込まれている。競技場の照明を駆使して照らし出されたスタイリッシュなタキシード姿の嵐の5人は、曲を聴く全ての人に勇気を届けるかのように堂々と歌い上げた。

 「カイト」のスペシャルムービーは1日午前0時からNHKホームページで公開される。( https://sports.nhk.or.jp/dream/respect/

 放送後に米津さんは自身のツイッターを更新し、「嵐の皆さんありがとうございました!カイトどうでしたか?編曲は坂東祐大(@YutaBandoh)とやりました。これからよろしくお願いします。」とメッセージを送った。

 また、米津さんはこれに先立ち、紅白で自身が作詞・作曲・プロデュースを手掛けたFoorin「パプリカ」と菅田将暉さん「まちがいさがし」のパフォーマンスが行われた直後に自身のツイッターを更新。FoorinとFoorin team Eのメンバーには「Foorin、team Eのみんな流石でした」、菅田さんには「この曲をかけて本当によかった。いろいろ思い出したよ。菅田くんお疲れ最高でした。」とそれぞれねぎらいのメッセージを発した。

■米津玄師さんメッセージ全文

 この「カイト」という曲を作るに当たって、いろんなことを考ええましたが、そのうちの大きな一つは、今の自分は誰かに生かされてきたということでした。自分の身の回りにいる人間や、遠くで自分に影響を与えてくださったたくさんの方々。その全てにちょっとずつちょっとずつ許されながら、お前はここで生きていてもいいんだと、そういう風に許されながら生きてきたのが今の自分だと思っていて、そういうことを考えていました。日々漫然と生きているとそういうことは何だか忘れがちになってしまいますが、それは決して忘れてはならないことだと自分を戒めるような気持ちでこの曲を作りました。とても良い曲になったと思います。この曲を作るきっかけを与えてくださったたくさんの方々、並びに嵐の皆さんに感謝の気持ちを述べたいと思います。本当にありがとうございます。