「藍染は徳島だけの文化ではない。生徒にいろいろな世界を知ってほしい」と話す青木真理さん

「藍染は徳島だけの文化ではない。生徒にいろいろな世界を知ってほしい」と話す青木真理さん

 15年前、家庭科教師として指導の幅を広げようと、四国大の藍染専門施設「藍の家」で1年間研修した。経験を生かし、その翌年から小松島西高校(小松島市)の授業で阿波藍を教え始めた。

 「藍染は徳島だけの文化ではない。生徒にいろいろな世界を知ってほしい」。チェコの藍染技法が国連教育科学文化機関(ユネスコ)無形文化遺産に登録されたのを機に、現地での研修を企画した。

 生徒を海外に連れていくのは初めて。チェコの藍染生地を扱う都内の企業に研修のプランづくりを依頼し、半年前から慣れない調整業務に追われた。「いつか生徒が阿波藍の普及や発展に関わるとき、この経験が生きる」。そう思えば苦にならなかった。

 徳島市出身。小学生の頃、自宅のミシンでカバンや巾着をよく作った。城北高生時代にファッションデザイナーの桂由美さんに憧れ、服飾業界に興味を持つ。共立女子大(東京)を卒業後、教師として服飾に携わる道を選んだ。

 生徒の発想や創作意欲に刺激を受けている。マネキン用のドレスを課題に出した際、生徒が針金で作った装飾品や色鮮やかなデザインを考え、期待以上の作品ができた。「触発されて、自分も頑張ろうという気になる」。やりがいを感じる瞬間だ。

 仕事を離れていても、縫製のことを考える。最近は露店で買った8センチ四方のコースターがお気に入りで「毎晩、縫い目を5分は眺めてから寝ます」。徳島市内で夫、娘2人と4人暮らし。49歳。