米国の阿波踊り連7連が、海外の連として初めての合同連「アメリカ連」を結成した。活動の第1弾として、6月にハワイで開かれる文化交流イベントに参加する。11月には徳島市で開かれる踊りコンテストに海外から初出場する。徳島への「踊り留学」も視野に入れ、力を合わせて全米に踊りの魅力を発信する。
7連の活動拠点は、ロサンゼルスとサンフランシスコが各2連のほか、アリゾナ、シカゴ、ニューヨークが各1連。それぞれ地域のイベントなどで踊りを披露している。
合同連結成のきっかけは、昨年11月に徳島市で開かれた「世界阿波おどりサミット」に4連の代表が参加したこと。サミットの懇親会でニューヨーク連の上原博副連長が他の3連に話を持ち掛けた。サミットに来ていなかった連には、メールで同意を得た。12月にNPO法人アメリカ連としてニューヨークを本部に登録し、連長に上原氏が就いた。
今後、連携を強化して複数の連でイベントを盛り上げたり、合同練習で踊りや鳴り物の技術を磨いたりする。連員の相互派遣も検討している。
今年6月に初参加するイベントは、日米親善を目的に1980年からホノルルで開かれている「まつりインハワイ」。フラダンスや和太鼓などの郷土芸能や音楽が披露され、毎年数万人の観客でにぎわう。6月12日から3日間開催。アメリカ連として約50人が参加し、パレードでの流し踊りや舞台踊りを、観客と一体になって楽しむ。
11月は、徳島市のアスティとくしまで開かれる「全国阿波おどりコンテスト」に参加する。主催する県によると、過去5大会に海外からの出場はない。
バールマン理美子副連長(サンフランシスコ阿波っ子連連長)は「単独連では難しい遠征公演をしたり、それぞれの地域のパレードに参加したりできるようになる。踊りの情報交換も活発になりそうだ」と期待。「年に1人ぐらいは徳島に踊り留学させたい。国際交流を深め、踊りの輪を世界に広げる」と夢を膨らませている。