徳島市で3日に行われた第66回徳島駅伝の開会式には、全16郡市の選手らが顔をそろえ、会場は高揚感に包まれた。いよいよきょう、海陽町の宍喰橋で号砲が鳴り、3日間に及ぶ全43区間256・9キロのレースがスタートする。

 選手は本番に向け、1秒でもタイムを縮めようと日々、練習してきた。気負わずに新春の阿波路で力を出し切ってもらいたい。

 地域の代表として1本のたすきを懸命につなぐ選手の姿は、沿道で見る人にも感動と勇気を与える。抜きつ抜かれつのデッドヒートを繰り広げる選手を拍手と声援で後押ししよう。

 レースは初日の南方コースで2年ぶりに美波町の由岐コースが採用される。

 優勝争いは4連覇を狙う鳴門市と、前回8分差で2位に終わった徳島市が競り合う展開か。一般の戦力が充実している鳴門市に対し、徳島市は若手が成長しており、総合力は拮抗している。

 前回、4年ぶりに3位に入った板野郡や阿南市、名西郡も上位争いに加わり、レースを盛り上げそうだ。最優秀競技者賞(MVP)や新人賞などの個人タイトルが誰の手に渡るのかも注目される。

 徳島駅伝は1955年、「徳島から五輪選手を出そう」と始まり、陸上の有力選手を多数育ててきた。その中から弘山晴美(アトランタ、シドニー、アテネ)、大家正喜(アトランタ)、犬伏孝行、市橋有里(いずれもシドニー)の4人の五輪選手が誕生した。

 今年は東京五輪・パラリンピックが開かれるオリンピックイヤー。徳島駅伝はその幕開けを告げるのにふさわしいスポーツイベントと言える。

 今回、東京五輪の内定者はいないが、パラリンピックを目指すランナーがたすきリレーを担う。三好市の髙井俊治選手と吉野川市の阿利美咲選手だ。2人とも世界の舞台で好成績を挙げており、代表入りが期待される。チームに欠かせない2人の走りも見逃せない。

 子どもが減り、選手の確保が難しくなる中、各郡市は地域を挙げて選手の発掘や育成に取り組んでいる。阿南市や板野郡など、中学生で着実に成果を上げてチーム力の底上げにつなげているチームもあり、頼もしい。

 育成の一端がうかがえるのが、前回から衣替えした小学生駅伝である。最終日に男子1400メートル、女子1500メートルの2区間で争われる。競技を始めて間もない児童がひたむきに走り、たすきをつなぐ。そんな選手の中から将来の五輪ランナーが生まれるかもしれない。沿道からきらりと光るランナーを探してみよう。

 形を変えながら進化してきた徳島駅伝。令和になって最初の今大会は、どんなドラマが待っているのか。これまでと同様、選手も沿道の観客もスポーツに夢中になれる平和をかみしめ、思い出の多い大会となるよう祈る。

 <2020・1・4>