写真を拡大 鳴門渦潮対福井工大福井 後半7分、鳴門渦潮の古谷(右から2人目)が決勝ゴールを決める=兵庫県三木市のみきぼうパークひょうご第2球技場(保護者提供)

 サッカーの第28回全日本高校女子選手権第2日は4日、兵庫県三木市の三木総合防災公園陸上競技場などで2回戦8試合が行われた。四国第2代表の鳴門渦潮は1―0で北信越第3代表の福井工大福井を下し、2大会ぶりの8強進出を決めた。鳴門渦潮は6日午前10時半から、同陸上競技場で関西第3代表の大阪学芸との準々決勝に臨む。

 ▽2回戦
 鳴門渦潮 1-0 福井工大福井
      0-0
      1-0
 【得点者】鳴門渦潮=古谷優理亜(後半7分)

[評]鳴門渦潮は攻守がかみ合い完封勝ちした。後半7分、中盤でボールを受けたFW古谷が相手陣内にドリブルで持ち込み右足シュートで先制。その後も両サイドをうまく使って得点機を築いた。終盤は相手の猛反撃を受けたが、ボランチの黒田、長谷原を中心に粘り強く守り、無失点でしのいだ。

 エース意地の決勝弾

 鳴門渦潮はエースの意地が膠着(こうちゃく)状態に穴を開けた。後半7分、FW古谷がドリブルで敵陣内に進入。寄せてきたDF陣をかわすと最後は右足でGKの股下を抜く先制弾を決めた。古谷は「自分の得点が勝利につながってうれしい」と笑顔を輝かせた。

 3トップの真ん中で先発。持ち味はゴール前でのキープ力と高さを生かしたヘディングシュートだが、決勝ゴールは「あまり記憶にない」という単独突破からだった。

 全国3位と躍進した昨夏のインターハイは沖縄入り直前に右足骨折の大けがを負い、仲間の奮闘を見守るしかなかった。「選手権では自分のゴールでチームを勝たせたい」。そう誓って11月末に戦線復帰した。

 終盤の福井工大福井の猛反撃も、守備陣が集中を切らさず踏ん張った。特に前日も得点している相手エースの「10番」にはダブルボランチとSBが連係よく挟み込み、ボールを取り返した。ボランチの一角で大阪のクラブチーム出身の黒田は「中学1年の時に10番と対戦してぼこぼこにやられた。きょうはそのリベンジも果たせた」と喜んだ。

 2大会ぶりの準々決勝の相手はフィジカルに優れ、個々の技術も高い関西3位の大阪学芸。中学時代の知り合いも多いという黒田は「成長した姿を見せたい。攻撃回数が少なくなると思うので、チャンスでは確実に決めて競り勝つ」と必勝を誓った。