怒れる若者も、やがては取り込まれ、そのうち「いまどきの若いやつらは」と嘆いてみせるようになったりして、行く末は体制の守護者になる。こんなふうでも、やってこられたのだから、かつての怒れる若者は幸せだった

 これからはそうはいかない。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんの主張を煮詰めれば、そんな言葉が浮かび上がってくる。大人は分かってくれない、と嘆く時間すら惜しい

 現実を変えていかなければ、待っているのは熱波や巨大台風、海面上昇、干ばつに疾病、生物多様性への影響・・・。信じないという人もいるけれど、これが正統派科学の答えである

 化石燃料を燃やしに燃やしてこれまでの世界、成長一本やりで来たものの、もはやそうはいかない。未来を奪うな、と訴える10代半ばの少女の演説に心を動かされたのも、世界が同じ危機感を抱いているからこそ

 欧州連合(EU)は、温室効果ガス排出量を2050年に「実質ゼロ」にする目標を法制化している。ドイツでは1日から、政府の温暖化対策で長距離の鉄道運賃が約1割安くなった

 英紙発表「今年の注目株の20人」に選ばれた小泉進次郎環境相、随分遅れた日本をどうする。つけを先送りする悪癖はこの辺で改めないと。環境ばかりか、年金や介護も。そのためにも若者よ、もっと怒れ。