きょう仕事始めの方は多かろう。年末年始に下ろした腰を再び上げるのはおっくうなもの。そんな緩んだ気分を切り替えてくれるのが仕事始め式。企業や官公庁のトップの言葉は、仕事のスイッチを入れる効果があるのかもしれない

 だが働き方改革で、これを見直す動きが出ている。兵庫県伊丹市は今年、式を廃止する。市長の訓示を断捨離し、準備や片付けの負担を減らす狙いらしい。年始に混雑する窓口の担当者が業務に集中でき、他の部署では休暇が取りやすくなるという

 武田鉄矢さんの母親が知れば、腰を抜かすのではないか。武田さんらのフォークグループ「海援隊」の往年のヒット曲「母に捧げるバラード」に、こんな一節がある。「働いて、働いて、働き抜いて、休みたいとか、遊びたいとか、そんなことお前、いっぺんでも思うてみろ。そん時ゃ、死ね」

 子を思う母の言葉だからまだ許せるが、もし上司が言ったらパワハラで訴えられること必定である。今は国を挙げて長時間労働の是正に取り組む時代なのだ

 残業を原則月45時間までとする罰則付き規制が、4月から中小企業にも適用される。少人数の企業が残業を抑制し、なおかつ業績を伸ばすことは可能なのか 

 「働いて、働いて、働き抜いて、時間までにできない時ゃ、家でやれ」。こうなっては元も子もない。