藤田氏が世界最大規模の漫画図書館開設を計画している旧北川小の校舎=那賀町

 電子書籍取次大手の「メディアドゥ」(東京)の社長で那賀町出身の藤田恭嗣(やすし)氏(43)が古里・木頭の旧北川小学校校舎に、30万冊超の漫画本を集めた世界最大規模の漫画図書館を開設する準備を進めている。ユズの加工販売事業など、藤田氏が力を入れる古里活性化への貢献の一環で、町と連携しながら、藤田氏個人の出資で事業に着手する方針。「地域のシンボルとして世界中から多くの人が訪れる施設」とするのが目標で、2018年度末までの完成を目指す。

 漫画図書館は、メディアドゥと取引のある大手出版社やプロダクションの協力の下、手塚治虫や水木しげる、永井豪といった国内外で知名度の高い巨匠の作品から最新の人気作品まで幅広くそろえる。30万冊の蔵書を所有し、世界最大規模とされる京都国際マンガミュージアム(京都市)を上回る規模にする。藤田氏は事業費を2~3億円と見込む。

 紙媒体の漫画本の貸し出しに加え、タブレット端末に電子化した漫画をダウンロードして貸し出すことも計画。ドローン(小型無人機)の操作を学べる教室やカフェ、木工体験スペースなども併設し、長時間滞在できる複合施設にする。

 3月に閉校した北川小の校舎を町から借り受け、30万冊超の蔵書に耐えられるよう補強を施す計画などを盛り込んだ企画書を近く、那賀町に提出する。

 藤田氏は「地域の子どもを育んできた小学校は、村の復興や地域創生のシンボルにふさわしい。世界一の施設にして多くの人を呼び込みたい」と話している。

 那賀町も藤田氏の提案に期待を寄せる。坂口博文町長は「地域活性化につながる話で歓迎したい。まだ具体的なことは決まっていないが、計画が分かり次第、町も協力していきたい」と話した。

 メディアドゥは2016年に東証1部上場。17年2月期の売上高は155億3200万円に達した。藤田氏は古里活性化への貢献にも意欲的で、13年には旧木頭村にユズの加工品製造販売会社「黄金の村」を設立した。