巣の上で羽ばたきながら宙に浮く雌のひな=21日午前10時50分ごろ、鳴門市大麻町

 鳴門市大麻町で生まれたコウノトリのひな3羽の巣立ちが迫ってきた。「3月21日ごろ」とみられる誕生日から21日で2カ月を迎え、親鳥とほぼ同じ大きさまで成長。3羽とも巣の上で元気よく羽根を羽ばたかせ、空に舞い上がるしぐさを繰り返している。

 ひなたちは今月4日ごろから羽根を羽ばたかせている。21日午前10時50分ごろには、雌の「あさ」(個体識別番号J0142)が巣から50センチほど垂直に飛び上がり、風を受けて1秒ほど空中に浮かんだ。1回飛び上がるごとに羽根を4、5回羽ばたかせており、他の2羽も順番に練習する姿が見られた。

 体も順調に成長しており、ひなのうち最も大きい雄の「蓮(れん)」(J0140)は、雌の親鳥とほぼ同じ大きさになっている。

 兵庫県立コウノトリの郷(さと)公園(豊岡市)によると、野外で生まれた個体は生後63~74日で巣立っている。ひなが巣の上で飛び上がる行動は、巣立つ直前に見られるという。

 初めて観察に訪れた鳴門市撫養町南浜の山田佳世さん(56)は「巣立ちが近いようなので急いで見に来た。羽ばたく姿を見られてよかった」と話した。

 ひなは雄2羽、雌1羽で、名前は同市が公募し、あさ、蓮のほかもう1羽の雄は「なる」(J0141)に決まった。ひなは巣立った後も数カ月は巣周辺にとどまる。県内の官民でつくるコウノトリ定着推進連絡協議会は、保護のため見学者らに巣を離れたひなから半径150メートル以内に近づかないよう呼び掛ける。