加熱式より害少ないか

 【質問】十数年前から毎日2箱程度のたばこを吸っている30代男性です。昨年から加熱式たばこに替えました。ニコチンが含まれておらず害が少ないと聞いたので電子たばこにしようかと思っています。将来は禁煙したいのですが、難しそうです。電子たばこで禁煙できますか。

 リスク変わらず 禁煙を

 【答え】斎藤恵・日亜化学工業健康管理センター統括産業医

 健康への影響を考えて、加熱式たばこや電子たばこに替えようとしているのですね。しかし、加熱式たばこや電子たばこが安心とは言い切れません。

 従来の紙巻きたばこに対し、加熱式たばこ、電子たばこを新型たばこや次世代たばこといった呼び方をします。

 日本で主流なのは加熱式たばこです。加熱式たばこは、たばこの葉を燃焼させずに加熱して、ニコチンなどを含んだ蒸気を発生させます。

 健康リスクが少ないように宣伝されていますが、ニコチンは紙巻きたばこ同様に含まれています。また発がん性物質や未知の有害物質もたくさん含まれています。喫煙者本人はがんや循環器疾患にかかるリスクは高くなります。そして受動喫煙の害もあります。

 紙巻きたばこより臭いが少ないから大丈夫だろうと家庭内で吸うのは非常に危険です。受動喫煙に安全なレベルはありません。

 一方、電子たばこは、たばこの葉を使用せず、装置内の液体を加熱し、蒸気を発生させます。

 ニコチンが含まれる電子たばこは、日本国内では薬機法(旧薬事法)で規制されているので、国内で流通しているものはニコチンを含みません。しかし、電子たばこから出る蒸気には、発がん性のあるアルデヒド類が含まれることが分かっています。さらに外国では爆発事故の報告もあります。電子たばこは公的基準での規制がないため、製品の成分や品質が多種多様です。有害性も判断しにくく、インターネットなどで気軽に購入できる電子たばこの中にはおしゃれなパッケージで手に取りやすいものも多く、本格的な喫煙のきっかけになる可能性も心配されています。

 このように加熱式たばこや電子たばこのリスクには、まだよく分かっていない部分もありますが、健康に有害であり、受動喫煙も存在することは間違いありません。

 自分や周囲の人の健康に対する影響を考えているなら、新型たばこにシフトするのではなく、禁煙に挑戦してはどうですか。ぜひ禁煙外来の受診を勧めます。