長い文章を読むことを苦手とし、読解力が落ちている。15歳を対象にした経済協力開発機構(OECD)の2018年学習到達度調査(PISA)で、懸念されてきたことが顕在化した。

 日本の高校1年生の読解力は79カ国・地域中15位で、8位だった15年の前回調査から急落。活字離れの進展を裏付ける数字とも言える。

 読解力は全ての学習の土台であるだけに、学校現場は危機感を持って対処すべきだ。授業内容の工夫や、子どもが活字に親しめる環境づくりを求めたい。

 PISAは、前回に続いてパソコンなどで行われた。このため、機器の操作に不慣れな日本の生徒には不利との見方が一部にある。

 とはいえ、文と文のつながりなどを正確に理解し、答えを導き出す力が今の子どもたちに足りないことは、これまでも再三、指摘されてきた。PISAの結果は、現状を示しているものとして受け止めていいだろう。

 現場の教員に聞くと、文章を読み解くことに加え、語彙の不足により、コミュニケーションを苦手とする子どもも増えているようだ。

 これらの原因としては、読むこと自体が減ったことやスマートフォンの急速な普及が挙げられよう。子どもたちのやりとりは短文が中心で、深く読み込んで考えることが減ってしまっている。

 多くの時間を会員制交流サイト(SNS)やゲームに費やし、読書時間も少ない。徳島県教委の調査では、中学生になると、読書量が減り、県内の中学2年生の10人に1人は全く本を読んでいない。

 地道ではあるが、活字に親しみ、想像力を働かせたり行間の意をくみ取ったりすることを積み重ねない限り、読解力を培うことはできない。読解力なくして、それぞれの人生を切り開くための資質や、能力を身につけることは不可能だろう。

 活字離れの対策として県教委は、お薦めの本についての意見交換や書評合戦の実施などを促している。学校図書の充実とともに、一層の取り組みを進めてもらいたい。

 さらに求めたいのは新聞の活用だ。日本新聞協会のNIE実践校など一部の小中高校では、新聞を教材とした教育が盛んに行われている。

 コラムの要約や書き写し、記事の切り抜きや比較、記事を題材とした意見交換など内容は多彩だ。子どもの発達段階に応じ、各教員が実践できるものを探ってほしい。

 むろん、学校でできることには限界がある。家庭での過ごし方を親子で見直す必要があろう。

 PISAでは、本や新聞を読む時間が長い生徒は高い読解力を示した。読解力を伸ばすためには、目にする文字量を増やすことが第一であることは言うまでもない。

 教室の内外で、どれだけ活字と接する時間をつくり出せるかが問われている。