加熱したコウゾを大釜から取り出す会員ら=那賀町木頭和無田

加熱したコウゾを大釜から取り出す会員ら=那賀町木頭和無田

 徳島県那賀町木頭地区に伝わる国重要無形民俗文化財の古代布・太布(たふ)の糸を作るため、原料のコウゾを加工する「楮(かじ)蒸し」が14日、木頭和無田の木頭創芸館前で行われた。

 阿波太布製造技法保存伝承会の会員やボランティアら30人が、長さ1・6メートルと3・3メートルに切りそろえたコウゾ約700本を2回に分けて大釜に入れた。釣り鐘状の蒸し器「甑(こしき)」をかぶせて2時間ほど加熱。柔らかくなった樹皮を手でむいた後、灰汁(あく)でたき、木づちでたたいて茶色の皮をはがした。

 皮は那賀川の流水に一昼夜漬け、河原で1~2日さらして凍らせる。約1カ月間自然乾燥させ、細かく裂いた繊維を手でより合わせて糸にする。

 近くの木頭学園の1、2、6年生7人が樹皮をむく作業を体験した。6年の真田露惟(ろい)君(12)は「会員の助言通りにすると、するするとむけて気持ちがよかった」と話した。