政府系金融機関の商工中金による不正融資問題で、これまでに全国の支店で判明している不正行為816件のうち、徳島支店の不正は3件あり、いずれも職員1人が融資要件を満たすために融資先の試算表を改ざんしていたことが24日、分かった。

 本店広報部によると試算表は企業が毎月の売り上げや収支、資金繰りの実績を記したもので、決算書の基になる資料。徳島支店では3件とも同じ職員が融資先の経営が悪化したように見せかけるため、この試算表を改ざんして提出し、決裁を得ていた。

 本・支店の調査担当者が、実際に融資先が作成した試算表と照合して改ざんを確認した。本店広報部は、3件の融資先がすべて同一企業かどうかや融資時期、融資額については明らかにしていない。

 今回問題となっている危機対応融資は、大災害や金融危機で業績が悪化した企業の資金繰りを支援する制度。各支店が危機対応融資を行うには、企業の過去の試算表と比較し、経営状況の悪化を示す必要があった。

 徳島支店では、他の融資案件についても不正がないか調査を続けている。日高雅章次長は「重く受け止めているが、支店から詳しいことは何も言えない」と話した。