JR四国がインバウンド向けに整備した簡易宿泊施設の室内=京都市南区

 JR四国が訪日外国人旅行者(インバウンド)向けに京都市南区に整備していた簡易宿泊施設「4S STAY 京都九条」が完成し、4日、報道機関を対象にした内覧会があった。民泊事業参入の第1弾で、15日にオープンする。今後、四国内にも同様の施設を年2、3軒を目標に整備し、インバウンド需要の取り込みに力を入れる考え。

 施設は、木造2階建て延べ68平方メートル、同66平方メートル、同67平方メートルの計3棟。JR京都駅から徒歩15分の鴨川近くに立地し、京都の雰囲気を感じてもらえるよう外観を町家風にしている。1棟につき5人まで利用でき、長期滞在できるよう台所や洗濯機も備える。投資額は1億5千万円。

 四国の良さをPRするため、玄関に美馬市の業者が手掛けた藍染ののれんを掛け、室内は砥部焼や丸亀うちわなどで装飾。VR(仮想現実)を体験できるゴーグル型端末も用意し、吉野川でのラフティングや祖谷のかずら橋の様子を紹介することにしている。

 宿泊は予約サイトで受け付ける。料金は季節によって異なり、1棟当たり1万3千~2万5千円。同社は、稼働率は70%を超えるとみており、年間2千~2500万円の売り上げを見込む。

 四国での整備はインバウンドが増加している三好市が最有力の候補地という。松木裕之常務取締役は「ノウハウを蓄え、四国で展開していきたい」と話した。