徳島県阿波市阿波町早田のアマチュア天文家岩本雅之さん(65)が、新彗星を発見した。米国の天文電報中央局が14日、公表した。国内の観測者による新彗星の発見は2018年以来で、このときも岩本さんが見つけた。岩本さんが新彗星を発見するのは通算4回目。
9日午前5時40分ごろ、自宅ベランダから星の動きを追尾する装置に天体撮影専用の400ミリレンズを載せて東の空を1分間撮影。へびつかい座の一角に少し緑がかったぼやけた光があるのを画像で確認した。
岩本さんは一晩に40枚ほど写真を撮っており、9日は撮影した20枚のうちの2枚に新彗星らしき姿が写っていた。星図などと照合して未確認の彗星だと考え、国立天文台(東京)に報告。国内外で追跡観測が行われ、13日のクリミアからの報告で新彗星と判明した。符号や名称は今後発表される。
阿南市科学センターによると、彗星は現在12等級ほどの明るさ。望遠鏡やカメラがないと確認できない。海外の研究機関は自動観測を行っており、アマチュアによる新彗星の発見は珍しいという。
岩本さんは18年に二つ、13年には一つの新彗星を発見している。「運が良ければまた発見できると思って頑張ってきたので、新彗星と分かって安心した。自分の名前が付けばうれしい」と話している。