売り場面積で県内最大級の大型ショッピングセンター(SC)のイオンモール徳島(徳島市南末広町)がグランドオープンしてから27日で1カ月を迎える。競合する既存の大型店舗では売り上げが前年比で10%程度落ち込んだところもある。特に食品・飲食部門への影響が大きかった。各店とも影響は一過性のものとみて、オープン当初の熱が冷めるのを待つ構えだ。

 イオンモール徳島は1カ月間の来店者数などを明らかにしていないが、4月24日から3日間のプレオープン中は計約11万人が来店したとしている。27日のグランドオープン後すぐゴールデンウイーク(GW)に入り、大勢の人でにぎわった。3~5階に約30店を集めた飲食ゾーンや、食材の質を重視した直営スーパーの人気が高い。

 イオンモール徳島から西へ約3キロと近い徳島駅前。複数の商店主が「人通りに変化はない」と話すが、そごう徳島店は1カ月の来店者数が前年同期より減り、売り上げは数%減少した。

 販売促進の担当者は「減少幅はほぼ想定内」とするが、衣料品や化粧品に比べて食品の売り上げ減が目立った。「イオンモール徳島は食品売り場とレストランがしっかりしており、その影響が出ている」と話す。高級品やブランド品を扱う百貨店らしさを今後も打ち出していく方針だ。

 そごう徳島店が入るアミコビルを運営する徳島都市開発によると、アミコ専門店も売り上げが数%減少し、特にGWは10%落ち込んだ。今後はそごうと協力して催事に力を入れる。徳島駅クレメントプラザは、来店者が多少減ったものの、店舗の売り上げは前年並みを確保したという。

 フジグラン北島(北島町)は、競合するシネマコンプレックス(複合型映画館)の客足が減少。食品の売り上げが想定以上に減った。フジの小堀弘香川・徳島運営事業部長は「当面厳しい戦いになる。引き続き地域密着型の店舗を目指したい」と語った。

 イオンモール徳島と同じ大型SCのゆめタウン徳島(藍住町)では影響は軽微にとどまった。勝本忍支配人は「イオンモールが徳島にできて四国や淡路島へ商圏が広がり、県外客が増えたのではないか」と分析している。