徳島ヴォルティスのマスコット担当スタッフさんとマスコットトークを繰り広げていたときのこと。「ティスちゃんっておしゃれですよね~、毎回リボン違いませんか?」という記者(サポーター見習い兼マスコットストーカー)の言葉を、スタッフさんは聞き逃しませんでした。
「そうなんです!あれ、サポーターさんの手作りなんです!」
え?そうだったんですか?かわいくてセンスがいいですよね。
「ちなみに、ヴォルタくんのしっぽ飾りも、ヴォルタくんティスちゃんがいつも持ってるポシェットも、みんなサポーターさんの手作りです!」
ええ?しっぽ飾りって、対戦相手にちなんで毎回変わるという? ポシェットって、てっきりオフィシャルグッズだと思ってましたよ。並々ならぬマスコット愛を感じます。ぜひ会って話を聞いてみたい…。
その機会は意外と早く訪れました。4月1日の東京ヴェルディ戦の試合前、スタッフさんが紹介してくれたのです。
サポーターさんは徳島市の40代女性で、サポーター歴は2005年からというベテラン。そのイヤリングはひょっとして、ヴォルタくんの後頭部にそっくりという鈴カステラがモチーフですか?
「よくわかりましたね~。そう、鈴カステラです」
なんと!弟子入りしたいくらいのマスコットマスターさんです。
高校時代から手芸が得意で、販売もしていたというサポーターさん。なんでヴォルタくん、ティスちゃんにアクセサリーをプレゼントしようと思ったんですか?
「2009年にヴォルタくん、ティスちゃんが登場して仲良くしているうちに、何気ない気持ちでリボンをプレゼントしたら、つけて登場してくれたんです。使ってくれるなんて思っていなかったので感激しました」
その後は時折プレゼントしていたそうですが、2015シーズンからはホームゲームのたびにプレゼントするように。サポーターさんが制作しているのは、ティスちゃんのリボン、手首のシュシュ、靴ひもの結び目に付けるアクセサリーと、ヴォルタくんがしっぽにつける飾りです。
ヴォルタくんのしっぽ飾りは、対戦相手にちなんだもの。岡山との開幕戦(2月25日)では岡山の有名人桃太郎と必勝だるま、千葉戦(3月17日)では、マスコットが犬なので、ヴォルタくんのしっぽ飾りに骨をチョイス。ヴォルタくんがアウェーで大活躍した3月21日の甲府戦もマスコットが犬のため、ヴォルタくんは自ら遠征用バッグに骨のしっぽ飾りを入れていたそうです(マスコット担当スタッフの証言)。
東京ヴェルディ戦でのしっぽ飾りは、東京・上野動物園にちなんでパンダ。ティスちゃんの靴ひもアクセサリーも小さなパンダで、ヴォルタくんのしっぽとおそろいです。
ティスちゃんのリボンは季節にちなんだ色使いや柄のもので、ちょっと大きめ。ティスちゃんにリボンを見せてもらうと、今回はチューリップ柄をあしらったピンクのサテン生地で春っぽい雰囲気でした。開幕戦ではお花、千葉戦ではヴォルタくんのしっぽ飾りとペアになるように犬と骨の柄でしたよ。
「ティスちゃん、リボンは気に入ってますか?」と尋ねると、ティスちゃんはカメラに向かって大きく何度もうなずいてます。お気に入りのようです。リボンやポシェットを見せて、お裁縫をするジェスチャー。手のひらに「12」(サポーター番号)と書いて「サポーターさんの手作り」と教えてくれました。
サポーターさんは「ポシェットは別のサポーターさんの手作りなんですよ。その方ともスタジアムで仲良くなりました」と話します。マスコットへの手作りプレゼントを通して友達の輪が広がるって、サポーターの世界は奥が深い。
キュートでときどき不思議な動きをする芸達者マスコット・ヴォルタくんとティスちゃん。サポーターさんは「ふたりが身につけてくれるのがうれしくて、次の試合は何にしようかなと考えています。観戦に訪れた人にも楽しんで見てもらえたら」と話しています。ヴォルタくんとティスちゃんのファッションにも注目して、スタジアムに足を運びましょう。