通常国会がきょう召集される。焦点は、首相主催の「桜を見る会」を巡る疑惑など、昨年から積み残した諸問題にどう対処するかだ。

 昨年の国会では、野党が予算委員会や集中審議を求めたのに対し、与党が応じず議論は深まらなかった。

 このまま言論の府としての役割を果たさなければ、政治に対する国民の不信は高まるばかりだ。安倍晋三首相をはじめ政府、与党の姿勢が厳しく問われるとともに、野党の力量が試される。

 桜を見る会は第2次安倍政権発足後、参加者が急増し、首相の地元後援会員が多数招かれていたことが判明した。前夜祭の費用を首相側が負担した疑いや、問題のある人物を首相推薦枠で招いたとの疑惑も浮上している。

 今年に入ってからは、適切に廃棄したと説明してきた招待者名簿を、公文書管理法に違反して「行政文書ファイル管理簿」に記載せず、首相の同意手続きなしに廃棄した上、「廃棄簿」にも記録していなかったことが分かった。

 菅義偉官房長官は事務的ミスとし、揚げ句に民主党政権時代の2011、12年の扱いを前例にしたと強弁したが、両年とも会は中止されていた。苦しい言い逃れと言わざるを得ない。

 内閣府が部局名を隠す加工をして推薦者名簿を国会に提出していたことも発覚した。それでも、菅氏は再調査に応じないという。

 安倍政権では、防衛省の日報隠蔽や財務省の決裁文書改ざんも起きている。不都合な情報を隠すことが常態化しているのだとすれば、まさに長期政権の弊害と言えよう。

 安倍首相は臨時国会や記者会見で疑惑を否定したが、説得力は乏しかった。野党は今国会で追及する構えだ。首相の明快な説明が求められる。

 長期政権の緩みは、カジノを含む統合型リゾート施設(IR)事業に絡む汚職事件でも露呈した。収賄容疑で東京地検に逮捕された秋元司衆院議員は、IR担当の内閣府副大臣だったときに、中国企業から700万円超を受け取った疑いが持たれている。

 贈賄側は、他にも数人の現元職議員に現金を渡したと供述している。どんな利権が絡んでいるのか。IR事業の是非を含め、徹底的に議論してもらいたい。

 昨年10月に相次いで辞任した菅原一秀前経済産業相、河井克行前法相の公職選挙法違反疑惑も、究明が必要だ。河井氏と妻の案里参院議員の事務所には先週、広島地検が家宅捜索に入った。

 菅原、河井両氏とも辞任の際、事実関係を調べて説明すると述べたが、いまだに果たしていない。捜査の進展とは別に、政治家として説明する義務がある。

 政府、与党は今国会で予算案の早期成立を目指し、全世代型社会保障改革に取りかかる方針だ。そのためにもまず数々の疑問に丁寧に答えなければならない。